【新築エアコン工事で隠蔽配管って大丈夫!?】プロは採用しない理由を徹底解説


お客様
お客様

新築の打合せ中にエアコン設置の話になって、、、。隠ぺい配管(先行配管)って聞いたけど大丈夫かな?

家の打ち合わせ中って知らない言葉がよく出てきますよね、、、。

エアコン工事で言うと【隠蔽配管、先行配管】って言葉はあまり聞いたことがないですよね。

わたし
わたし

私は住宅メーカーで15年以上、現場監督として勤務しており、延べ1000棟以上のお客様を引き渡しております。1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格をもとにお話します。

隠蔽配管と先行配管は同じ意味で捉えてもらって大丈夫です。

この記事では隠蔽配管のメリット、デメリットをお伝えさせていただいて、プロの目線ならどちらを選ぶかをお伝えさせて頂きます。

わたし
わたし

結論から言いますと、住宅のプロは隠蔽配管を絶対に選びません

理由も含めて説明させて頂きます。

最後までお付き合いください。

エアコンの隠蔽配管って何?

まずは【隠蔽配管】ってそもそも何?っていうところからスタートします。

隠蔽配管はエアコンの配管(冷媒管、ドレン管)を天井の中、壁の中を通す配管方法のことです。

通常、壁に取り付けるエアコンは外壁面に取り付けて、そのままエアコンの裏の外壁面に穴を開けて配管を外に出します。

お客様
お客様

設計士さんや営業の方からは隠蔽配管をするなら新築の時しか出来ないから、せっかくなら隠蔽配管にしておきましょうか?って言われた。。。

そうなんです、隠蔽配管は新築の壁や天井を貼る前じゃないと工事が出来ません。

あとから出来ないので今やっときましょう、と言われることが多いです。

隠蔽配管のメリット 3選

お客様
お客様

隠蔽配管については何となくわかったけど、どんなメリットがあるの?

隠蔽配管のメリット

・外壁面じゃなくてもエアコンを設置出来る

・家の外に配管が見えないので外観がスッキリする

・エアコン室外機の位置を自由に計画出来る

順に説明していきます

外壁面じゃなくてもエアコンが設置出来る

エアコンは通常、外壁面に設置します。

隠蔽配管にすると壁内や天井裏に配管を通せるので外壁面ではなくて内壁でもエアコンが設置出来るようになります。

わたし
わたし

部屋の間取り的に外壁面にエアコンの設置が難しい場合は大きなメリットになります。

外壁面には大きな窓を計画したい、などの要望がある場合には内壁にもエアコンを設置出来るので隠蔽配管は便利です。

外壁にエアコン配管が露出しないので外観がスッキリする

隠蔽配管でエアコン設置をすると配管類(冷媒管、ドレン管)が見えてこないので家の外観がスッキリします。

通常のエアコン設置をすると外壁に配管が見えてくるのでダクトカバーなどを使用して目立たないようにするものの、外観がダサくなります。

エアコンが取り付けられている高さから地面までのおよそ2.5mくらいが配管が見えてくるので気にされる方も多いです。

わたし
わたし

2階にエアコンを設置すると、2階から地面まで外壁に配管が露出するのでより見た目が気になる、、、という方も。

エアコン室外機の位置を自由に設定出来る

通常のエアコン設置の方法(露出配管とも言います)だとエアコン室外機の位置は室内機のすぐ後ろの外壁面にしか設置出来ません。

わたし
わたし

隠蔽配管でエアコンを計画すると室外機の位置はどこでも大丈夫です。

隠蔽配管の場合は天井裏に配管を通すことも出来るため、室内機と室外機が離れた場所にあっても設置可能です。

家の南面に室内機を設置して、室外機は北面の外壁側に設置するということも出来ます。

わたし
わたし

注意事項としてはあまりに室内機と室外機を離しすぎると配管が長くなり、エアコンの効率が悪くなります。離すにしても9mくらいまでを目安にしましょう。

隠蔽配管のデメリット 3選

メリットがあれば必ずデメリットもあります。

エアコン隠蔽配管のデメリット 3選

・エアコンのメンテナンス性が悪い

・壁や天井の中で水漏れすることも

・エアコンの買い替えが出来ないことも

順に説明していきます

メンテナンス性が悪い

隠蔽配管は壁内、天井裏に配管を施工する為、配管に問題があった場合にメンテナンスがしにくいです。

エアコンは室内機、室外機だけでなく配管も除々に劣化していきます。

エアコンの配管には冷媒管、ドレン管という2種類の配管があります。

冷媒管に関しては耐用年数は30年程度と言われてますが、私の経験上、10年から15年くらいで傷んでくることもあります。

ドレン管というのは室内機から外に排水するための管ですが、こちらは内部に虫が入ったり、ヘドロなどで閉塞してくることもあります。

配管が閉塞してしまうと排水が出来ずに、家の中に水が漏れてきてしまうこともあります。

壁内や天井裏で水漏れすることも

隠蔽配管は壁内や天井裏に配管するため、配管の状況がわかりにくくなっております。

そのため、壁内で結露や水漏れしていても気付くのが遅くなります。

お客様
お客様

配管が結露なんてすることがあるの?あんまりイメージ出来ない、、、。

あまり馴染みがないかもしれませんがエアコンの配管は結露しやすいです。

その為、冷媒管には保温材が配管に巻かれてます。

わたし
わたし

室内機と冷媒管の接続がしっかりされていないと結露水が配管内に入ってしまう、、、。その結果、壁の中でカビが発生していた、なんてことも。。。

ドレン管にしても箇所によっては保温材を巻いていないと結露して天井が濡れてきた、、、ということもあります。

エアコンの買い替えが出来ないことも、、、

隠蔽配管の場合、エアコンを交換しようとしても断られることがあります。

新築の時はハウスメーカーや工務店がエアコンを取り付けてくれますが、10年ほど経ってエアコンを交換しようと家電量販店に行っても、隠蔽配管の場合は取り付けしてくれない、ということがよくあります。

なぜなら、家電量販店が取り付けたエアコンの効きが悪かった時に家電量販店の施工が悪かったのか、元々の隠蔽配管に問題があったのかの責任の所在がわからないからです。

わたし
わたし

施工の問題だけでなく、隠蔽配管の場合は冷媒管の長さが不明な事もあるのでエアコンの効きに関して家電量販店は責任を持てません。

確かにそうですよね、配管がどうなっているか(壁内で劣化しているかもしれない、ガスが抜けているかわからない状態)でエアコンの効きを保証出来ないですよね。

お客様
お客様

じゃあ、配管ごと交換したらいいのでは?

隠蔽配管の場合は配管の交換はほぼ不可能です。

わたし
わたし

配管を交換しようとすると天井や壁を捲らなくてはいけない為、大掛かりな工事となります。

住宅のプロがエアコンの隠ぺい配管を選ばない理由

私は今まで1000棟近くの新築住宅の引き渡しを担当してきましたが、

わたし
わたし

エアコンの隠蔽配管は絶対に採用しません。

これは私だけでなく、私の同僚など住宅の現場監督はみんなそう言ってます。

理由は、隠蔽配管はトラブルが多い、これに尽きます。

隠蔽配管のトラブル

・冷媒配管に釘やビスが刺さっていたことが数年後に発覚

・ドレン管の接続箇所が抜けていたことが数年後に発覚

・冷媒管が結露で傷む、冷媒管が錆びたことにより、銅の成分の緑色の液体で壁が汚れる

・そもそもドレン管が繋がっておらず、気づいたら壁内や天井裏が水浸し、、、

・冷媒管が無理に曲げられており劣化、数年後に発覚、、。

エアコン隠蔽配管のトラブルは挙げればキリがないくらいです、、、。

わたし
わたし

特に厄介なのが、発覚するのが数年後、、ということが多いことです

新築してしばらくは問題なくエアコンが使えていたが、数年してからエアコンの効きが悪くなって調べてみたら配管に穴が空いていたことが発覚した、、、なんてこともあります。

お客様
お客様

新築の時にしっかり検査していてもわからないの、、、?

新築の時にはどれだけ検査をしてもわからないことも多いです。

例えば、配管に釘が刺さっていた、という場合

配管に完全に穴が空いているのであれば新築のエアコン取り付け時に確認が出来ます。

これが、配管に釘が刺さって、その釘が穴を塞いでしまっていることもあります。

この場合、本当に微かに配管のガスが抜けていくので数年経つまで異常に気が付かない、、、という状態になってしまいます。

わたし
わたし

住んでからしばらくしてトラブルに気付く、というのが隠蔽配管の怖いところです。プロが管理しても気付けないことが多いです。

新築のエアコン工事で重要な事は?外構もセットで考える事です

新築のエアコン工事で大切なことは2つ。

・メンテナンス性を考えて計画すること

・外構計画も考えた上でエアコン室外機の位置を計画すること

メンテナンス性を考えて計画すること

わたし
わたし

エアコンは一生物ではありません。10〜15年を目処に買い替える物です。

買い替える事が前提なのに、見た目が良い、間取りの自由度が上がる、ということだけで隠ぺい配管にしない方が良いです。

今までに何度もエアコン工事でのトラブルを対応している私だからこそお伝え出来ます。

お客様
お客様

真夏の暑い時にトラブルで数日間エアコンが使えないとか地獄、、、。

外構計画も考えてエアコン室外機の位置を決める

隠蔽配管か露出配管か、ということも大事ですが、

同じくらい外構計画と室外機の位置を同時に考えることが大事です。

平面図に室外機の位置が書かれていてもあまり気に留めることは無いですよね。

なので、

わたし
わたし

外構でウッドデッキをつけようとしてた場所とエアコンの室外機の位置が被ってしまったり、、、

また

わたし
わたし

エアコンのドレン管からは水がポタポタ漏れてくるので、外構で作った土間コンクリートがその箇所だけコケが生える、カビが発生する、、、ということも

事前に外構計画を立てておけば防げたトラブルばかりです。

お客様
お客様

そうは言っても、新築の打ち合わせ中に外構まで考える余裕はない、、、。

ハウスメーカーや工務店の担当者からも外構はあとから考えましょうって言われてるし。

ハウスメーカーの担当者は新築の建物に費用を掛けてほしいので積極的に外構の計画を勧めてくることはありません。

でも、早めに外構計画を考えておかないと、後悔することに、、、。

お客様
お客様

どうしたらいいの?ハウスメーカーや工務店から紹介された外構業者は見積もりも高くて、、、。

そんな方は一度【ハウスメーカーの外構は断らないと損!?】メリット、デメリットを徹底解説をご覧ください。

ハウスメーカーや工務店から紹介された外構業者で進めていくと話が進まなかったり、見積もりが高かったり、不満がでてくることもあります。

こちらの記事でそういった不安にお答えしております。

【ハウスメーカーの外構は断るのはアリ!?】メリット、デメリットを徹底解説

また、外構業者の選び方を知りたい、という方は【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要もご覧ください。

【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要

エアコン工事で重要な隠蔽配管について知ろうと思ったあなたは既に家づくりの上級者になりつつあります。

あと一歩、外構工事も早めに考えて後悔のない家づくりを完結させましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA