打ち合わせも終わって、ほっと一息、、、。と思っていたら営業から言われました。
「地鎮祭(じちんさい)どうされますか?やりますか、やめときますか?」
地鎮祭どうされますかって言われても、、、。地鎮祭がどういうものかもわからないし、、、。費用も3万円くらい掛かるって言われるし、、、。
ですよね、、、。
多くの方にとって、家づくりは初めて、、、。
何が普通で何が特別なのかもわからない、、、。
私はハウスメーカーで15年以上、現場監督として働いております。延べ1000棟以上のお客様を引き渡しを経験。1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持っております。
地鎮祭を何百回も経験してきた中でお話させていただきます。
結論から言いますと、「地鎮祭は特にやらなくても大丈夫、気になるのなら自分で土地を清めるだけで問題なし!」です。
理由も含めてお話させていただきます、是非最後までお付き合いください。
地鎮祭の費用以外にも新築のコストを下げたい、という方は【ハウスメーカーの外構は断るのはアリ!?】メリット、デメリットを徹底解説を御覧ください。外構費用を大幅に下げる方法を徹底解説してます。
【ハウスメーカーの外構は断るのはアリ!?】メリット、デメリットを徹底解説新築のお祓いにはどんな物がある?
まずは新築時のお祓いにはどんな物があるかを簡単に説明させていただきます。
- 地鎮祭
- 上棟式
- 竣工式
の3つになります。
この中で最も多く執り行われているのが地鎮祭です。
この後に詳しく説明しますが、地鎮祭をされる方は6割程度、上棟式は1%程度、竣工式に至ってはここ数年された方を聞いたことがありません。
詳しく説明していきます。
まずは地鎮祭(じちんさい)です。地祭り(じまつり)とも言います。
新築に関するお祓いの中で一番お客様が採用されることが多い儀式です。
- 土地を使わせてもらうことに対して神様に許可をもらう
- 工事の安全を祈願する
- その土地に住む家族の繁栄を祈願する
という願いを込めて行う儀式になります。
続いては上棟後に行う、上棟式です。
上棟とは基礎工事が終わって、建物の骨組みを作る工事のことです。建前(たてまえ)とも言います。
上棟が終わると、屋根の形が出来上がっている状態になります。
この段階で、神主さんを呼んで
- 無事に上棟したことを祝う
- 今後の工事の安全を祈願する
- 上棟に参加された大工などに感謝をする
というのが主な目的です。
場合によっては、神主さんは呼ばずに工事関係者だけで簡易的に行う場合もあります。(最近では行うにしてもこのパターンが多いです)
最後は竣工式(しゅんこうしき)です。
ここ最近はほとんど開催されることがありません。
色々な形式がありますが
- 神主を招いて、工事が終わったことを土地の神様に報告する
- 工事関係者を招いて、工事に関する労いをする
というような形式が一般的です。
この中でも、神主を招いてされる方はほぼ皆無です。
工事関係者を招いて開催される方もここ数年いらっしゃいません。
感覚としては500件に1件くらいの方がされるかな、という感じです。
特にハウスメーカーで家を建てられた方はほとんどされません。地場の工務店で新築された方は工事関係者を招いて食事会などはたまにされているようです。
地鎮祭をされる方は他の2つの儀式と比較して多い傾向があります。
ここからは地鎮祭について詳しく説明していきたいと思います。
地鎮祭のお祓いってどんなことをする?順序や費用は?
地鎮祭ってどんなことをするの?私たちがしないといけないことって何?
初めての経験でわからないことだらけですよね。
地鎮祭について詳しく説明していきます。
地鎮祭を執り行う神社はハウスメーカーであれば提携している神社を手配します。
各ハウスメーカーで取引している神社があります。
営業担当にお任せしていただいたら、提携している神社を手配してくれます。
地鎮祭で使用する竹や砂、塩、清酒などを準備してくれるので手軽です。
自分が建てる土地の近くの神社にお願いしたいんだけど、、、。何となくその方がご利益がありそうで、、、。
その気持ちもわかります。その場合は営業担当に伝えて、ご自身で神社に連絡を入れることになります。
ただし、その場合は準備が結構大変です。
神社によっては、四隅に立てる竹の準備を施主にお願いしていることもありました、、、。竹を手に入れるのって難しい、、、。
ここからは地鎮祭の流れです。
施主自身がしなければいけないこともあります。
STEP1〜STEP10までと項目としては多いですが、地鎮祭の所要時間はおよそ15分〜20分くらいです。
参列者、お供え物を清める儀式です。
その土地の神様をお迎えする儀式です。神主さんが叫ぶ場面が見れます。
神様にお供え物を食べてもらう儀式です。
神主さんが工事の安全とご家族の繁栄を祈願する祝詞(のりと)を読まれます。
ここは施主が登場する場面になります。神主さんが土地の四隅と中央を清めた後に続いて、施主が清酒と精米を四隅と中央に撒く、という儀式になります。
こちらも施主が登場する場面です。施主の見せ場でもあります。
土地の中央に盛られた砂にクワで穴を掘ります。この時、施主がクワを使い「えいっ、えいっ、えいっ」と掛け声を言いながら穴を掘ってください。
多くの方が恥ずかしがって大きな声を出すのをためらわれます。ここは見せ場なので大きな声でやりましょう。
その後に工事関係者がスキを使ってその穴を埋めます。
ここも施主の出番になります。
神主から榊(さかき)を受け取ります。榊を反時計回りにくるっと回して榊の茎の方を祭壇に向けてお供えします。その後、祭壇に向かって二礼、二拍手、一礼をします。
酒と水の口を閉じて、お供え物を下げます。
祭壇に降りていた神様をもとの御座所に送る儀式
お供え物のお神酒(みき)を参列者でいただく儀式。飲酒が出来ない方は飲む真似をして地面にお酒を流します。
以上が地鎮祭の流れになります。
地鎮祭の費用の相場は3万円から5万円くらいです。
地鎮祭が終わった後に施主自身が神主さんにお渡しします。
ハウスメーカーで頼む神社より、お客様がご自身で頼んだ神社の方が高いことが多いです。
地鎮祭をする人は何割くらい?しない人の特徴は?
地鎮祭の流れや費用はわかった、、、。やっぱり地鎮祭はしないといけない?どれぐらいの人がやるの?
気になりますよね。
営業担当から、「皆さん地鎮祭される方が多いですよ」と言われたらそれを信じるしかないし、、。でも地鎮祭の費用3万円って結構大きい出費だし、、、。
ここからは地鎮祭をした方がいい人、しなくてもいい人を説明していきます。
ハウスメーカーではおよそ6割くらいの方は地鎮祭をされますが、年々その数は減ってきています。
地鎮祭をする人、した方がいい人、を説明していきます。
- 古くからの土地に新築する場合
- 親の家がすぐ横にあり、分割、分筆して建てる人
- 土地に古い井戸や昔の便槽(ぼっとん便所)がある場合
この3つに該当する場合は地鎮祭を行う方が多いです。理由を説明していきます。
これは新築を建てようとする周囲が古くからの集落の場合で、特にお年寄りが多い土地です。こういった土地は周囲の目も鋭く、地鎮祭をしていない、ということが周りに広まりやすい傾向にあります。
別に地鎮祭はする必要はありませんが、お年寄りなどは気にされることが多いです。引越し後に円満に生活するためにこういった土地では地鎮祭をしておいたほうがいい、、、。
これも先程と似たような理由です。
若い夫婦は合理的に考えて地鎮祭は不要って考えても、ご両親はそのように考えないことが多い。
ご両親世代であれば、「地鎮祭は当たり前」と考えている世代です。
そのような場合は施主の意向だけでなく、ご両親の考えにも合わせる方がいいでしょう。
家づくりしてご両親と揉めるのは避けたほうがいい、、、。
中古の土地を購入した際に、稀に古井戸や便槽が残っている場合があります。
昔から井戸や便槽などの水にまつわる箇所には神様がいると言われてきました。
私は地鎮祭は不要、と考えていますが井戸などの水関係が土地にある場合だけは別です。何となく地鎮祭をやっておかないと不安、、、。
井戸がある場合は地鎮祭をされなくても井戸を清める(井戸祓い)だけでもしておきましょう。
今まで、井戸がある現場では100%地鎮祭をしております。
ここからは私の今までの経験から地鎮祭をしない人、しなくてもいいのではと私が考える人を紹介させていただきます。
- 新規の造成地を購入される方
- 開発された土地を購入される方
- 儀式的なことに興味がなく合理的な方
順に説明していきます。
1つ目は新規の造成地を購入される方です。
不動産業者が30区画分譲、というような形で一気に造成している土地です。
周りの家も新築や工事中、空き地が多い、というような土地になります。
こういった場所では地鎮祭をされる方は少なくなってきています。
私の感覚では地鎮祭をされるのは2割くらいのイメージです。ほとんどの方は地鎮祭をされません。
新規の造成地なので特に土地の神様などを気にされない方が多いのだと思われます。
続いては、開発された土地を購入される方です。
開発された土地、というのは先程の新規造成地の30年後をイメージしていただけたらいいかと思います。
中古の家を解体して再度建て直すような土地です。
こういった土地も神様云々を気にされることが少ないです。
最近はこういった方が増えてきています。
若い方はほとんど地鎮祭をされない方が多い。
ハウスメーカーの神主さんはアルバイトの方も多く、ありがたみを感じないという意見もあります。
結局3万円を神社に渡したところで、アルバイトの方がお祓いを行い、15分くらいで儀式が終わるのであればお金がもったいない、と考えるのも不思議ではありません。
私の勤務するハウスメーカーの社員でも自宅建築では地鎮祭をしない、という方が多いです。3万円あったら良い外食で思い出を作ったほうが、、、。
とは言え、地鎮祭をしていないと、何となく気味が悪い、と感じる方もいらっしゃいます。
そんな方には次章からご自身で行うお祓いをオススメします。
自分で土地のお祓いをする方法は?
地鎮祭ほど厳かでなくていいので、簡易的にお祓いをしておきたい、という方も多いです。
そういった方に向けて自分で行うお祓いの方法を説明させていただきます。
準備する物は
- 精米
- 清酒
- 荒塩
この3つです。
こちらを土地の四隅と中央に撒いて、土地の神様に工事の安全を祈願する、たったこれだけです。
地鎮祭をされない方は大抵この程度のお清めで済ますことが多いです。
施主だけで行うのが何となく心配な方はハウスメーカーの営業担当や工事担当に付き添ってもらえば大丈夫です。
お清めの為に担当者に建築地に来てもらうって、、気が引けるんですけど、、、。
これに関しては特に気にしなくて大丈夫です。
工事の担当者としては着工前にお客様にお会いして挨拶をさせて頂きたいものですので、地鎮祭じゃなくてもお清めだけだったとしても現場に行くのが普通です。
でも、本当にこれだけで良いか心配。費用を掛けずにもう少し安心出来るようなお清めの方法はないの?
あります、このあと説明させていただきます。
自分で用意した物だけでお清めするのはちょっと不安、という方はお近くの神社で厄除けの御札などを購入するのをオススメします。
厄除けの神社や、方除けの神社であれば御札や清めの砂、というのを置いてます。また、神社によって家の基礎に埋める、鎮め物、というのを置いているところもあります。
こういった物を工事担当にお渡しいただいて、土地を清めてもらう、という方も多いです。
地鎮祭を神社で行うと御札と鎮め物を渡されます。
これと同じものを神社で購入してご自身でお清め、という方法は合理的で良いと思います。
まとめ 新築の費用をもっとコストダウンする方法は?
地鎮祭って費用も掛かるし、時間も掛かるし最近ではされない方が増えてます。
もしあなたが購入した土地が
- 古くからの土地に新築する場合
- 親の家がすぐ横にあり、分割、分筆して建てる人
- 土地に古い井戸や昔の便槽(ぼっとん便所)がある場合
ではないのであれば、地鎮祭はなくしてしまってもいいのでは?と思います。
実際、地鎮祭をされない方が多いです。
地鎮祭に掛かる費用3万円〜5万円を他のことに使うとか、新築のローンに備えて置いていてもいいと思います。
新築で最後に費用が掛かってくるのは外構工事です。
地鎮祭の3万円〜5万円を節約するのも大事ですが、外構工事も業者を間違えれば平気で30万円くらいは見積もり金額が変わってきます。
でも、外構業者はハウスメーカーからの紹介で既にプランもある程度決まってるけど、、、。
ハウスメーカーからの紹介で外構業者を選ばれる方も多いですが、一度相見積もりをしてみるのがオススメです。
ハウスメーカーから紹介の外構業者だと中間マージンが入っているので見積もり金額が高くなりがち、、、。15%くらいは中間マージンだと思ったほうがいい、、。
他の外構業者で見積もりをしたら30万円くらい安くなった、という事例もあります。
そんなこと言っても、外構業者の探し方がわからない、、、。知り合いに外構業者もいないし、、、。
そんな方は【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要をご覧ください。外構業者の探し方や、優先順位の付け方などを徹底解説しております。
【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要また、ハウスメーカーからの紹介で外構業者と打ち合わせをしているけど、何となくイメージの合う業者ではない、という方は【ハウスメーカーの外構は断るのはアリ!?】メリット、デメリットを徹底解説を御覧ください。ハウスメーカーで外構をするメリット、デメリットについて解説しております。
【ハウスメーカーの外構は断るのはアリ!?】メリット、デメリットを徹底解説地鎮祭や上棟式など、家づくりは初めての経験がつきもの。
全てを営業の言うことに任せるのでなく、ご自身で調べることで後悔のない家づくりを目指しましょう!