新築の引き渡しも終わり、長かった家造りもようやく終わりを迎えて
さあ、これから新居だ、楽しみだ〜、という矢先
なんじゃ〜、不具合あるやんか〜。大丈夫かいな!?
これですよね。引き渡ししてすぐに見つかる不具合、不安になりますよね。
今回はそんな引き渡ししてまもなく不具合を見つけたあなたに今まで新築住宅を1000棟以上担当している私が、その不具合の原因、対応策をお教えします。
この記事をご覧頂くと
あー、この不具合はこれが原因やね、大丈夫なんやわ
ということがわかります。
それではお客様から問い合わせの多い上位5点をお話させていただきます。
基礎工事における注意事項は下記を参照
ジャンカ、コールドジョイント 家づくりの基礎工事 注意ポイントまずはこれですよね。
お引渡しをしたお客様の100%から言われる内容です。
結論から言うと
全然問題ないで〜、どこのお家でも起こる正常なことやで
これです。
そうです、新築してからしばらくの間は木材が乾燥収縮をする時期です。
通常、クロスというのは木材(柱)の上に施工された石膏ボードの上に貼られております。
そのため、木材(柱)が動くと石膏ボードの継ぎ目も若干動きます。
そのため、石膏ボードの動きについていけなくなったクロスの継ぎ目がより大きくなります。
これは新築住宅では息をするくらい当たり前の不具合です。
じゃあ、何よ、この隙間、我慢しろってこと!?
見た目悪いんですけど〜
そうですよね、そういう気持ちになりますよね。
大丈夫、大抵の住宅会社はクロスの保証期間が設定されてるで
これです。大抵の住宅会社はクロスの隙間が開いてくるのは織り込み済み。
どれだけ上手なクロス職人さんでも木材の乾燥までは読めません。
そのため、大抵1年間、長くて2年間程度、クロスの保証期間というのを設けている住宅会社がほとんどです。
えー、ってことは保証期間以降は直すのにお金掛かるってこと〜!?
基本、そういうことです。
保証期間を超えると費用が発生します。
でも、クロスの隙間をなるべくなくす方法とか、直し方も
あるで〜。
そうなんです、クロスの隙間をなるべく発生させない方法というのがあります。
それは
湿度管理、これや!
そうです、なぜ木材が乾燥収縮するかといえば家の中が乾燥していたり、湿気が高かったりするからなんです。
なので、湿度を管理(特に乾燥しすぎないように管理)することが大事になってきます。
乾燥しないようにするためには、
- 加湿器を設置する
- 室内に洗濯物を干す
- 浴室の扉を開けっ放しにする
ということで防げます。
だいたい、湿度が40%から60%になるくらいに調整すると良いと言われてます。
うちの家、すでにもう隙間がめっちゃ開いてるんですけど〜
という方には簡単に直す方法があります。
ホームセンターに売っているボンドコーク、使うだけやで!素人でも簡単に直るせるで〜。
これです。簡単です。開いている隙間に対して、ボンドコークと呼ばれる接着剤のようなものを埋めるだけです。誰でも簡単に直せます。水溶性になっているので間違って隙間からはみだしても拭き取るだけで元通りです。
建具の建て付けが悪くて閉まりにくいの〜。閉めても枠との隙間が出来るんですけど〜。
これですよね。
建具の建て付けが悪い、というのは新築の間もない期間に起こる、あるあるです。
お客様によっては、家が傾いてるんちゃうの、とか欠陥住宅なんちゃうの、とか不信感を持たれることも多いです。
これに対しても
新築時の調整の不具合かもしれんな〜、でも家の欠陥っていう事ではないで。
割とよくあることやし、建具の調整機構で調整可能やで
と、なります。
新築時の引き渡し前の検査でチェックされるべき項目ですが、調整していてもちょっとした木材の動きで調整が狂うこともあります。
そのため、各社、そういった建具関係は簡単に調整が出来るようになっています。
なので、建物が傾いている、とか欠陥というわけではないのでご安心ください。
どこのお家でも多かれ少なかれ起こる現象です。
ご自身でも調整出来るくらい単純な物ですが、わかりにくければ住宅会社の方に聞いてみるといいと思います。
3つ目はこれです。
普段何気なく生活していると、床から
「ミシッ」という音や「パキンっ」という木材が鳴る音がします。
または、「コンっ」という金属的な音が鳴ることがあります。
床から音が鳴るなんて、中古住宅とか古いお寺じゃあるまいし〜。
勘弁してほしい〜。
こう思われるかもしれません。
実際、私もそう言われたこともあります。
でも、
これも新築住宅でよくある現象やねん〜。
床鳴り(ゆかなり)っていいます。
そこら中で音が鳴るっていうのなら施工不良の可能性もありますが、基本的には木材の収縮で木材同士が馴染むまでの間に床鳴りは発生します。
ミシッとかパキっといった木材の音が鳴る場合
フロアというのはオス(凸)とメス(凹)の木材が重なりあって施工されてます。
この重なっている部分が擦れて音が鳴ることがあります。
時期的に鳴ったり鳴らなかったりします。
特に多いのは冬場、乾燥する時期です。
木材が乾燥して縮むことで先程の凹凸の部分に隙間が出来ます。
隙間が出来るとその部分を踏むと擦れて音が鳴る、という仕組みです。
だんだんと音が収まってくる事が多いで〜。年月が経つと木材の収縮が起きにくくなってきます。
そうなんです、この手の床鳴りの場合は時間が経つと鳴り止んでくることがほとんどです。
あまりにも毎日通って気になる箇所以外はそのままにしておいたほうが良いです。
コンっという金属的な音がする場合
木材同士が擦れて鳴るような音ではなくて金属的な音がする場合、これはフロアより下、床下からフロアを支えている金属製の束(つか)で鳴っている可能性が高いです
この金属製の束のことを鋼製束(こうせいつか)と呼びます。
こちらの束は床下でフロアの下地を支えています。束自体に上下調整する機能がついているためそちらでフロアの水平の調整ができます。フロア下地の乾燥などにより鋼製束の調整が不揃いになった際にコンっという音が鳴ります
この音の場合は自然に鳴り止みにくいで。床下に潜って鋼製束を調整する必要ありやな。
そうです、この鳴り方の場合は自然に直ることが少ないです。床下に潜って大工さんに鋼製束を上げて調整する必要があります。
束の調整には技術がいるため素人の方が手を出さないほうがいいです。
他の束とのバランスからフロアが異常に反ってしまったりします。必ず住宅会社に連絡しましょう。
どちらの床鳴りにしてもある程度は避けては通れない症状になります。
どれだけ大工さんが丁寧に仕事をしていても
鳴るときは鳴るっ
この1点に尽きます。
でも何箇所も何箇所も鳴るというのはちょっとおかしいです。その場合は住宅会社にその旨連絡入れましょう。
4つ目はこれです。
玄関のタイル目地に白い粉が吹いてきた〜。何これ?
これですよね。
なかなか馴染みのないことかもしれませんが
建築業界の者からするとあるあるです。
これは専門用語的にはエフロレッセンス または 白華(はっか)と呼びます。
家の近所を歩いて、よその家を見てください。
多い、少ないはありますが割とこの現象起こっています。
この症状はタイルの目地に使用しているセメントの成分が関係してます。
セメントのアルカリ成分が雨などにより表面に出てくるとそれが固まって白く固まります。
アルカリ成分とかよくわからへんわ〜。なんやのそれ、キレイになるん?
気になるのはそれですよね。
大丈夫、キレイになるし安心してや〜。
先程もお伝えしたようにアルカリ成分が出てきているのでそれに対して
酸性の洗剤で割とキレイに掃除出来ます。
酸性の洗剤で有名どころとなると
サンポール
これですよね。
緑のボトルに緑の洗剤が入っています。皆さんもホームセンターなどで一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。
このサンポール(酸性洗剤)を白くなっている部分に掛けると中和されて
シュワシュワ〜と泡が出てきます。
それをタワシやブラシで擦ると
あら不思議〜、キレイになった〜
と、なります。
お困りの方は一度試してみてください。
こすったあとはよく水で洗い流していただくことをお忘れなく!
また、サンポールでは汚れが落ちない、もしくは汚れが固着して落ちない、という場合には
専用の除去剤があります。
大型のホームセンターやネット通販でもありますのでそちらを活用していただいても良いかと思います。
この現象自体は目地に使われる成分がアルカリ性のものやからある程度仕方ないねん。どうしても起こる現象として理解してほしいわ〜。
最後 5つ目はこれです。
コウモリの尿が外壁についてたり、玄関タイルに糞のような物がいっぱい落ちてるんですけど〜。なんとかならへん〜?
これもよくお聞きする内容です。
地域差もあるんでしょうが地方だと割とあるあるなんじゃないでしょうか。
結論
コウモリは駆除したらあかんねん、なんとか忌避剤でどっかいってもらうしかない!
こうなります。
そうなんです、コウモリって駆除したら駄目なんです。
忌避剤(コウモリが嫌がる匂いなど)でどっか違う所にいってもらうしかないんです。
よく
コウモリ駆除、承ります!任してください!
みたいな広告を目にしますがめちゃくちゃ高額な請求をされ、かつ大した対応をしてくれないので要注意です。絶対に頼まないほうがいいです。
「進入箇所になりそうな換気扇のカバーに網をつけときますね〜」とか言ってよくわからん網をつけて平気で10万くらい取られます。
コウモリに関してはホームセンターに売っているスプレー式の忌避剤を糞が落ちている直上の壁や天井に吹き付ける。その後、コウモリが来なくなる、しばらくするとやってくる、また忌避剤を噴射するの繰り返しです。そのうちコウモリも諦めてやって来なくなる。
という流れが多いです。
コウモリ専用の忌避剤でなくてもスズメバチ用でも大丈夫です。大抵、ミント系の香りです。
それでも駄目なようであれば磁石をコウモリがいついているであろう壁に設置しておく、というのも有効です。コウモリは超音波を頼りに移動しているので磁石によって方向感覚が狂うそうです。
ただ、外壁ではなく家の中(屋根裏や外壁と室内壁の間)にコウモリがいるようであれば迷わず住宅会社に連絡しましょう。なんらかの対応をとってくれるはずです。
コウモリは1センチ程の隙間があれば十分入ってきます。外壁のちょっとした隙間、屋根のちょっとした隙間があれば入ってきてしまうのでその際は潔く住宅会社に伝えましょう。
以上5つがお引渡ししてからお聞きする事が多い事例となります。
引き渡しを受けてからすぐの段階って何が正しくて、何が間違っているのか不安になりますよね。
1つ不具合が見つかるとこれも不具合なんちゃうか、とか疑心暗鬼になるものです。
私もクロスの隙間1つで家全体が不具合品だ〜、と言われたことがあります。
高い金額を払っているので心配になるのはごもっともです。
なんか、騙されてるんちゃうやろか〜、言いくるめられるんちゃうの〜
という心配はわかりますが家というのは木造だろうが、鉄骨造であろうが仕上げ部材や下地部材は木材を使います。ちょっとした気候の変化で調整が必要になるのは避けられない物になります。
また、目地のセメントなども現在どこのメーカーでもタイル目地はアルカリ性なので起こり得ることですし、
コウモリに関しては「何でうちの家だけコウモリ来るんよ〜」というご指摘を受けたことがありますが、コウモリに聞いて欲しいです〜、と思います。
自然現象、動物による害は住宅会社にはどうしようもないです(コウモリが家の隙間から入る、というのは別として)
なので、何か不具合があった際に一度住宅会社の方の話をしっかり聞いてみてほしいと思います。自然乾燥によるものでだんだん納まるものであったり、その性質上防ぎようのないこともあります。
長く住む家になります、安心して、落ち着いた心持ちで住んでいきたいですね。
この記事を読んで少しでも
あ〜、うちも同じ症状やったわ〜、でも原因がわかって安心した〜
と思っていただけたら嬉しいです。ではまた!