基礎工事も終盤に差し掛かった頃、ふと気がつくことが、、、
上棟式って名前よく聞くけど、するものなの?どうなの?
これですよね
この上棟式、いる、いらない問題、度々浮上します。
結論からいいます
いらんで、感覚的には9割以上の方がされません。
となります。
今回は上棟式が不要な理由、そしてもしやるとしたらどのような形式がいいかを説明します
上棟式がいらない理由
以前のように大工さんに振る舞う習慣がなくなった為
確かに10年以上前はよくありました
大工さんにお弁当を用意したり、休憩するスペースを作ったり、ご祝儀を渡したり、、、
今はそういったことはされないことがほとんどです。
各住宅会社もお施主様に負担を掛けないようにそのあたりはお断りしていることが多いです。
お施主様になるべく気を(お金を)使わせないようにすることが各住宅会社の考えですし、
大手メーカーが率先してそのような負担をお客様にしてもらうべきではない、というスタンスをとってきました
その結果、大工さんへの過剰な振る舞い、を控えていただき、上棟式もやらない、という流れが広まってきました
ご祝儀や上棟式がないのが当たり前やから、それによって工事に何か影響を与えるってこともないし、安心してーやー
上棟式はそもそも 棟(家で一番高い箇所に取り付けられる木)があがった事を大工さんに感謝し、喜び、を分かち合うものです。
大工さんに感謝していただけるのはとてもありがたいことですが、休憩の時のお茶やお菓子で十分に伝わります。過剰にする必要はありません。
上棟の当日は割と時間がない
上棟(棟上げとも言います)作業の作業内容が増えた為、時間にゆとりがなくなっていることも起因してます
上棟の当日のスケジュールは一般的に
・午前7時半前後 大工、クレーンオペレーター、警備員、現場監督、営業が建築地に集合します
・午前8時前 朝礼を始め、作業に取り掛かります
・10時前後 休憩(30分程)
・12時前後 お昼ごはん(1時間程)
・15時前後 休憩(30分程)
16時から17時 作業完了 となります。
1日で2階の屋根まで作業することになるのでスケジュール的にはハードです。
特に夏場は熱中症の危険性があるし、ゆっくり作業してもっと時間が押すし、冬場は日没が早いし割と急いで作業するしあんまり時間に余裕がないねん
そうなんです、時間があまりないんです。
大工さんからしたら、15時の休憩くらいに上棟式だと残りの作業が気になるし、早く作業に取り掛かりたいし。作業完了後に上棟式、となると中々帰れないし、、、。
ということでゆっくりと上棟式をする時間がない〰、となります。
以前は上棟は建物の骨組みだけ組む工事だったのが現在は筋交いという壁の補強や、2階の床の下地を施工したり建物の強度、性能がよくなるたびに作業内容が増えているため時間にゆとりがなくなってきています
天候によって上棟作業延期となるため段取りが組みにくい
上棟作業は危険作業となります。
クレーンで木材を吊って所定の位置まで持っていく
幅10センチ程度の梁の上を材料を手に持って歩く
カケヤと呼ばれる大きな木槌のようなもので大工さんが声を掛け合いながら作業する
というように危険な場面が山程あります
その影響で天候が悪くなりそうな場合は予定していた日程を延期することが一般的です
これは雨で木材が悪くなる、、ということではなく安全面に配慮して、ということです。
そのため、せっかく上棟式の予定を組んでお弁当などを準備してもキャンセルになる、ということが珍しくないです。
特に梅雨時期や天候が崩れやすい秋口、冬場は予定通り実施されることのほうが珍しいです。
また、延期になっても再度大工さんを集めたり、クレーン業者を手配するのにはっきりとした日程が決まるのが遅くなることもあります。
そうなんです
なかなか上棟式の段取りがスムーズに行くことは少ないんです。
そのため、せっかく苦労してお客様がお金も時間も使って段取りしても結局上棟式出来なかった、、なんてこともあります。
住宅会社としても、お客様が上棟式を計画してる、となると大工、クレーン、材料の手配に加えて、お客様の予定まで合わせる、となると至難の技です。
どうしても上棟式をしたい方
それでもやっぱり一生に一度やし、上棟式したいんですが、、、
わかります、その気持ち。
最近では神主さんを呼んで上棟式を執り行うというのはほとんどやりません。
割合でいうと99%呼ばないです。私も過去1000棟以上建ててますが記憶があるのは3件くらい。
なので、上棟式を少人数で、上棟から日をあけてされる方もいらっしゃいます
例えば、上棟の1週間後の土曜日、とかに設定するのです
そうすれば、いくら天候で遅れてもそれよりズレることはないですし
大工さんも時間的に余裕を作れるので
大工さんに感謝を伝える、一生の記念にする、という意味であればちょうど良いと思います。
参加される方としては
お施主様、営業、監督、棟梁、となります。
上棟が終わり、屋根のルーフィング(防水シート)も終わっているので時間や天候に気を取られることなく
割とゆっくりと現場も案内してもらえます
上棟式に必要なものは
・御札(地鎮祭の時に神主から受け取った物)
・清酒
・精米
・塩
の以上で結構です。
これ以外の物はおそらく住宅会社が用意してくれます(ボンデンと呼ばれる飾り、それを置く台、清酒を配る紙コップ、精米、お塩を入れるお皿)
上棟式の内容としては
最初、御札を飾ったボンデンに対して 二礼二拍手一礼をします。
その後地鎮祭と同じ要領で建物の四隅を精米と清酒とお塩で清めます
そして、お施主様の挨拶
棟梁もしくは現場監督の乾杯のあいさつ
御札を飾ったボンデンを棟木に納める、という流れで終了です。
所要時間は15分程度、というところです。
最近ではこういった形式で上棟式をされる方も多いです(と言っても上棟式自体が珍しいですが)
上棟式、どうしてもやりたいッ!て方にはオススメ!
まとめ
上棟ってワクワクしますよね
今まで地縄で縄の状態から基礎の状態になり、それが1日にして屋根の形まで出来る
一気に家が出来上がった感じになります
お施主さんだけでなく、気を張っているのは住宅会社の方も一緒です。
当日はお施主さんも大工さんも住宅会社も一緒になって喜びたいですが上記のような理由でなかなか上棟式が行われないことがほとんどです
私個人的にはお施主さんと一緒になって喜びたいですが、最近では上棟の日にお施主さんが見に来られないということも多いです。
出来れば上棟は見に来て欲しいです
家がドンドン出来上がって行く姿を目に焼き付けてほしいです
今しか見れない、もうすぐすると塞がってしまう箇所もいっぱいありますし
なにより住宅工事において一番興奮を味わってもらえる瞬間です
大工さんはじめ、クレーンオペレーター、警備員など自分たちの家の為にこれだけの方が
汗ダクダクで頑張っているんだ、というのはなんか感動します。
建物の骨組みが出来るだけで、これからの工事がより一層楽しみになり、より家に愛着が湧いてきます
お仕事もお忙しいですし、大変だと思います。
天候に左右されますし、なかなか予定がたてれないかもしれませんが、少しだけでも顔を出していただけると現場で働く人間の励みになります
以上、上棟式どうしようーって悩まれてる方の手助けになれば嬉しいです!