この記事には広告が含まれます
新築工事の見積もりって色々ありますよね、その中で耳慣れない言葉が
「残土処分費」
普段生活していて聞く言葉じゃないですよね?
しかも、「残土処分費が30万円になります」と営業から急に言われても
なぜそんなに費用が掛かるのか、わからない方がほとんどです。
単純に土を処分するだけでしょ、何のメリットもないものに30万円って、、、。
形に残らないものに高額な残土処分費が掛かるってなかなか納得できないですよね。
私は住宅メーカーに15年以上現場監督として勤務しております。
1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持ち、今まで延べ1000棟以上の住宅建築に携わってきた経験からお伝えします。
この記事を読んでいただくと、
残土処分費ってそういうことだったのね、金額の目安も分かったわー。
と納得していただけます。
ちなみに残土処分費の1㎥あたりの値段は地域にもよりますが7000円〜8000円程度です。
また、残土処分費は新築の建物だけではなく外構工事でも掛かってきます。
新築の早い段階で外構工事についてもある程度の計画をしておくと外構での残土処分費やその他の余分な費用も抑えることが出来ます。
【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要もご覧いただくと参考になると思います。
【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要まだ、家づくりにお悩みの方へ。タウンライフ家づくりで他のハウスメーカーからも間取りを取り寄せてみませんか?
間取りや仕様は、いくつかプランを考えてからじっくり決めるのがオススメです。
タウンライフ家づくりを利用するメリット
- 無料で間取りプランを作成してくれる
- 資金計画も立ててくれる
- 土地探しも一緒にしてくれる
たったの3分で間取りの悩みを解決
【40万人が利用!安心の大手サイト】【PR】タウンライフ
裏事情ですが、こういったサイトからプラン作成を依頼したほうが優秀な営業が担当になることが多いです。
残土処分費とは 〜土を掘った後の処分費用の事〜
残土処分費って何?結構金額高いんだけど、、、。
これですよね。
残土処分費っていうのは、住宅の基礎を作る時の土の処分費です。
詳しく説明していきます
基礎というのは土地の上にボンッと載っているわけではありません
土地に埋め込まれるように建っています。
砂場にバケツを固定しようと思うと、砂の上にバケツを載せるだけじゃなくて
バケツの形に砂を掘ってからそこにバケツを置いた方が安定しますよね?
住宅の基礎もそれと同じです
基礎を作る際に規定の深さまで土を掘って、そこにコンクリートを流し込みます
その時に掘った土を処分する時に掛かる費用が残土処分費です
結局、何も形の残らない物にお金を払わないといけないの?
何か損じゃない!?
しかも結構金額高いし、何かオプション増やせそう〜
そうですよね、その気持ちよくわかります。
なぜ残土処分費がそんなに値段が掛かるのか説明していきたいと思います
残土処分費 金額の目安
結論から言いますと、残土処分費の大部分は人件費 となります。
要は職人さんの手間代ですね
後述しますが、残土処分費の多い、少ない、は土地、基礎の形状などによって変わってきますが
標準的な30坪 2階建ての家でおよそ残土処分量が20㎥くらいです
地域により様々ですが7000円〜8000円/㎥が残土処分費の目安です。
なので大体 15万円くらい掛かる計算になります
基礎を作るために土地を掘ります。
この時必要なのは、重機(土を掘るためのユンボ)と運ぶ為のダンプです
ダンプは3tダンプ程度だとすると2㎥程を一度に運べるので
15㎥を運ぶと考えると処分場まで運ぶのに8往復です
残土の処分場ってどこにあるか知ってますか?
町中にはありません、大抵は山の中、とか奥深いとこにあります。
そこに8往復して捨てに行く
1日から2日程掛かる仕事になります。
実際、地域にもよりますが、処分場に残土を持っていくとおおよそ1㎥あたり1000円程度の処分費が発生します。
かなり手間が掛かるし、専門的な重機などがないと処分できないことがおわかりいただけると思います。
うちの家、2階建て30坪だけど、もっと高かったわ。。。
という方、残土処分費は下記の項目によって増減あります
- 土質
- 基礎の種類、地盤改良の有無
- 設計GLと現状地面の高さの差異
土質とは敷地内の土の状況です。
これによって残土処分の費用は変わってきます。
粘土質の土地の場合はグッと残土処分費が上がります。
粘土質というのは掘り起こすと空気を含んで体積が大きくなります。
もちろん粘土質ではなくて砂質土でも掘り起こすと体積が大きくなりますがその比率が粘土質は大きい。
粘土は粒子が細かいから、粒子一つ一つに空気を含みやすいんです
だいたい60㎡の基礎で粘土質と砂質土だと残土量が3㎥くらい変わるイメージです
残土処分費の計算は
【土を掘る面積】 × 【土を掘る深さ】 × 【土の膨張率(1.2〜1.5程度)】
です。
土質によってこの膨張率が変わってきます。
粘土質だと1.5程度で計算することが多いです。
住宅会社によって基礎を土にどれくらい埋めるのか、ということが決められており、それにより掘らないといけない土の量が変わってきます。
この、「基礎をどれくらい土に埋めるのか」というのを根入れ(ねいれ)と呼びます
根入れ深さが大きい住宅会社だと20センチから30センチというところでしょうか、
建築基準法では根入れ深さは、べた基礎で12センチとなってます
同じ大きさの家でも基礎ががっちりしている住宅会社の方が残土処分費が多く掛かる、ということになります
また、地盤改良の有無ですが、これは単純に柱状改良工法や表層改良工法と言ったものの場合、土を掘ってそこにセメント固化材を入れるので土の処分が掛かってくるということになります。
2階建て30坪の家でおよそ残土が10㎥出ない位のイメージです
地盤改良についてもっと詳しく知りたい方は【地盤改良の費用を徹底解説!】知らないと損するトラブル事例5選も御覧ください。地盤改良の費用だけでなく、実際にあったトラブル事例を載せてるので役立つと思います。
これは家を建てる土地に盛り土(地面の高さを上げる)をして家を建てるのか、それとも切り土(地面の高さを下げる)をして家を建てるのかで大きく残土処分費が変わる、ということです
盛り土をする、ということは土が足らないということなので残土処分費はほとんど掛からないです
ただ、その分、基礎の根入れがなくなるので外構工事で盛り土の費用が大きく掛かることになります
切り土をする場合は現状の地面が高くて、土を掘る量が多いので残土処分費が大きく掛かってしまいます。この場合、法規的に問題なければ設計GLを上げれるなら上げた方がいいです。
法規的に問題、というのは建築物の高さ制限がある場合です。そうでなければGLを上げたほうがいいです。
GL を上げることのデメリットは、土留めのブロックより上げてしまうと更にブロックの費用にお金が掛かるということ、移動できない水道メーターや水道のマスより極端に上げてしまうとそこに(メーターやマス)に水が溜まってしまう、ということです
これさえ問題なければGLを上げたほうがいいです。(排水の勾配なども取りやすくなり、残土処分が減額されるだけでなく、メリットの方が大きい)
GLについてもっと詳しく知りたい方は外構で失敗しない為の家の配置、GL計画、新築打ち合わせで必ず確認する7つの事もチェックしてみてください
残土処分に関するトラブル事例
残土処分って最終的に形に残らないですし、お施主さんもどんなものか分からないので結構トラブルが多いです。
そうなんですよね、割とトラブルになりやすい残土処分、そのトラブル事例を紹介します
ちょいちょいあるのがこの質問
結論から言うと
ほとんど安くなりません。その後、土を均したり(ならしたり)するのにその知り合いも手間になるからやめといたほうがいい。
と、なります。
どういうことかと言うと、残土処分は前述したようにほとんどが手間代です
なので、それを処分場に捨てようが、近くの知り合いの土地に捨てようが基礎業者さんからしたら、ほとんど手間は変わらないんです。
しかも、土質によっては持っていった知り合いの土地で土を均そうと思っても粘土質だとそんな事ができずに単純に汚い土が置かれてるだけ、という状態になります。
知り合いの土地に土を持っていって、その土も均してほしい、という要望もありますがそうなると、またそっちに重機を持っていく費用も掛かるので完全に別工事です。手軽に基礎の掘る作業と一緒に、、、とはいかないレベルです
知り合いの土地に持っていくにしてもどこまでダンプが入れるのかによって土を置ける、置けないの判断もありますし、業者さんも住宅会社も嫌がるケースがほとんどです。
だだっ広い土地があり、ダンプが悠々と入っていける道がある場合を除いて頼まないほうが住宅会社ともいい関係が築けると思います
これも困る依頼の1つです
まず、残土を置いておくスペースがあるか、です
基礎工事中は置けても建物の工事が始まりますと足場が建ちますし、資材も入ってきますし、産廃を置くスペースも必要になってきます
無理やり残土を置いておくとその後に入場する業者さんが施工がしにくくてしょうがない、ということにもなりかねません
そしてもうひとつの問題が 土質によっては置いていても全く使い物にならない ということです
残土を置いておく、というのは後々どこかで土を使う、ということですが、先程の粘土質の場合は一旦掘り起こすと使い物になりません。締め固めることも出来ず、キレイに整地に使えるような土ではありません。
プロの目線からすると、置いておくだけ無駄。処分したほうが賢明。
と、なります
よっぽど質の良い砂質土ではない限り一度掘り起こすと使い物にならないので注意が必要です
基礎工事で残土をお金掛けて処分したのに、外構工事では土を足さないといけないし費用が掛かると言われた!土を捨てたのに、また土を足さないといけないの?
これもよくある質問です。
これに関しては早めに外構計画を立てることで残土処分費用が少し安くなることもあります。
基礎工事中に余計な箇所まで土を処分した(しなかった)ことにより
外構工事で残土、もしくは土を入れる量が増えてしまうことがあります。
早い段階で地盤の高さの指示を外構業者と新築業者で打ち合わせることで残土処分費用が安くなることもあります。
外構業者の選び方がわからない、という方は【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要をご覧ください。
オススメは無料で複数の優良業者から見積りがとれるタウンライフリフォーム エクステリア・外構特集 です。
※優良業者がお住まいの地域にない場合は業者が見つからない場合もあります。
無料で安心
簡単 1分で見積もり!【PR】タウンライフ
基礎を掘った時の土を敷地内に撒いてくれれば外構で土を足す必要もないんじゃないの、、、。
この気持ちもわかります、すごいわかります。。。
これも土質の問題です、一度掘り返した土は建物の周りに撒いて締め固めようとしてもキレイにいきません。
仮に周りに撒いても外構業者が入る際にはガタガタの土の上に砂利を撒いてもキレイに仕上がらないので
結局、外構業者も整地するために土を処分する必要があります。
その結果、基礎工事で残土処分費が掛かったのに、外構工事でも処分費掛かるんかいッ!となりますが
事前に外構業者と早めに打ち合わせをすることをオススメします。
外構工事に関してくわしく知りたい方はこちら→新築の外構工事はいつから計画する?早めのタイミングがいい理由5選【1000棟以上の経験者が語る】
残土処分費の見積りの仕方 3パターン
残土処分についてお分かりいただけたでしょうか
住宅工事において、最終的に形に残らないですし、何かもったいない感じがしてしまう費用ですが、
残土処分というのはどうしても掛かってしまう費用になります。
住宅会社によりますが、残土費用の見積もりの仕方が3パターンあります。
・各現場で個別に残土量を計算して計上する
・残土処分に掛かった分だけ後で請求してくる
・全てのお客様で同一金額を請求してくる
順に説明致します。
この場合、少し多めに見積もりをしています。
というのも足りなくなって後からお客様に請求する、というのがしにくいからです。
実際は想定より残土処分費が少なくて済んだ、という場合に返金されることもあるので一度確認してみてもいいと思います。
こんなに返金されるんだったら、あのオプシヨン追加出来たのに〜。
という気持ちもあるでしょうが、事前にぴったりの残土処分量を計算するのは不可能です。
返金されてラッキーと思っておきましょう。
事前に残土処分量を計算するのって結構難しいです。
そのため、住宅会社によってはあとから掛かった費用だけお客様に残土処分費を請求する、という形式をとっているところもあります。
基礎工事が始まってからじゃないと金額がわからないの、、、。
なんか怖い、、。高額な請求されるんじゃない?
残土処分費30万円をあとから請求されるのは気分良くないですよね。
最初の見積もりに入れてくれる住宅会社の方が良心的だと思います。
この場合はあらかじめ、だいたいの量でいいから残土処分費を聞いておくべきです。
決まった金額を全てのお客様の見積もりに入れている、という住宅会社もあります。
例えば、どんな大きい家でも、小さい家でも一律、残土処分費15万円、という形です。
この場合、大きい平屋を建てる方は得をしますし、小さい家を建てる方は損をします。
その住宅会社の考え方にもよるのですが、あとから残土処分費を返金したり、逆に追加で残土処分費用をもらうとトラブルになる原因なのでそれも1つの方法だと思います。
残土処分費を安くする方法
大きな金額ですし、何とか残土の費用を安く出来ないかな〜という気持ちは住宅会社もお客様も一緒です。
少しでも残土処分を安くする方法は
・早めに外構の計画を始めて残土処分の費用を減らす
・設計GL を上げる
・処分した土がどれくらいか写真を撮っておいてもらう
という3つが残土処分費を減らす方法です。
外構計画を早めにしておくことは重要です。
基礎の工事で残土を処分したのに、外構でまた少し残土処分費が掛かる、、、。
何だかもったいないですよね。
残土処分費はほとんどが人件費です。
残土を少しずつ捨てるより、基礎工事中にまとまった量を捨てる方が安く済みます。
事前に外構業者と土を掘る範囲を打ち合わせしておき、基礎工事中に残土を処分してもらった方が残土処分費が安くなる場合が多いです。
土を掘る量が少ない方が外構工事の工期も短く済むことも多い!
一番有効なのは早めに外構計画を大まかでいいので考えておく、ということです。
家づくりに頭がいっぱいで、外構まで気が回らない、、、。
その通りだと思います。
家の打ち合わせだけでも住宅会社と時間を合わせるのが大変。
こんな状況で外構業者を探すのは、、、無理、、、。
ですよね、オススメは無料で見積もりをしてラフなプランまでしてくれるタウンライフリフォーム エクステリア・外構特集です。(リフォームと記載されてますが、外構も対応してくれます)
無料で安心
簡単 1分で見積もり!【PR】タウンライフ
お住まいの地域の優良外構業者に無料の見積もり依頼が出来ます
無料なのでリスクはありません。
気に入らない業者を紹介されたら断ればいいだけですので是非ご活用ください。
地面の高さ設定を上げることで掘る土の量を減らします。
法規的に問題がなければGLを5センチでも上げれば2〜3万円ほどは残土処分費が安くなることもあります。
GLを上げる場合も外構業者と事前打ち合わせをして不具合がないか確認しておいたほうがいいです。
GLを上げることで先程お伝えしたように
- 土留ブロックが1段追加になるかも
- 整地の為の土の量が増える
- 建物高さに関する法規に抵触する
といった事が考えられるので検討が必要です。
処分量が本当に請求費用と相違ないかを確認するためです。
土を処分してないのに、嘘をついて請求を挙げてくる業者もいます。
信頼のおける業者ならダンプに残土を載せている写真を撮ってます
写真は1台ずつ分かるように工事看板と共に撮っておいてもらのうがいいです。
- 処分した日付
- 現場名
- 何台目の処分か
を記載してもらえば間違いないです。
また、基礎の形状で深基礎(ふかぎそ)というものがあります。
深基礎でも残土が大量に出ることもあります。敷地に高低差がある場合は【深基礎のデメリットとは?】外構でトラブルを避ける方法を1級建築士が徹底解説も確認しておくと役立つと思います。
残土処分は新築する上では避けては通れない見積もり項目です
それでも、事前に勉強することで少しでも残土費用を抑えることが出来ます。
ぜひ、事前に知ることで後悔のない家づくりを!