外構で失敗しない為の家の配置、GL計画、新築打ち合わせで必ず確認する7つの事


家を契約すると、気分がウキウキしますよね。

これからどんな家を計画しようか、期待で胸が膨らみます。

その反面、失敗のない家づくりにしたい気持ちで不安になることもあると思います。

家の計画で一番最初に打ち合わせをするのが【配置計画】です。

配置計画でよくある失敗が、建物の配置の影響で外構工事でやりたいことが出来なかった、、、というものです。

重要なのは、配置を計画する際に建物のことだけでなく、外構計画も考えておく、という事。

正直、家の打ち合わせではあまり詳しく外構計画に触れないことがほとんどです。

なぜなら家の設計士は建物の計画のプロであり、外構計画にはあまり詳しくないからです。

その為、設計士の言われるがままに計画していると、いい建物にはなるかもしれませんが、外構の計画と合わない、ということも起こります。

 わたし
 わたし

私は住宅メーカーで15年以上勤務し、延べ1000棟以上のお客様を現場監督として担当してきました。

1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持っております。

外構と家の接点を持っているのは現場監督です。その経験を活かして皆様に役立つ情報をお伝えしたいと思います。

住宅の現場監督って建物の引き渡しが終わって仕事が完了、というわけではありません。

引き渡し後に新築に起因する外構工事のトラブルやクレームを一番多く聞く部署でもあります

この記事を読んでいただくと

新築の打ち合わせの最初に決める配置、GL設定を外構工事の観点からもお分かりになっていただけると思います。

配置、GL設定というのは多くの場合、設計士の言われるがままに進むことが多いです。

この記事を参考に自分なりに配置図をチェックすることで失敗のない家づくり、外構計画に進んでいただけます。

お客様
お客様

外構計画を考えるにしても、外構業者の選び方がよくわからないー

そうですよね、外構業者の選び方を知りたい方は【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要をご覧ください。

住宅メーカーの外構業者は金額も高いことが多いので、一度、他の選択肢も検討することをオススメします。

【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要

設定GLの高さについて

まずはこれです。配置を計画する際に一緒に決めることが多い【設定GL】(設定ジーエルと呼びます)

お客様
お客様

設定GLって何?聞いたことないけど、、、

そうですよね、設定GLなんて言葉、家を建てるまで聞いたことがないのは当然だと思います。

設定GLとは家が建つ地盤面の高さです。

GLとはグランドラインのことです。

多くの場合、前面の道路より少し上げて設定することが多いです。

または、お隣さんの設定GLに合わすことが多いです。

設定GLを低くしすぎてしまうと

  • 道路やお隣さんから雨水が敷地内に入ってくる
  • 雨水の勾配が取れずに敷地内にいつもジメジメした箇所が出来てしまう
  • 残土処分費が無駄に多く掛かってしまう

といったことが起こります。

※残土について詳しく知りたい方は【残土処分費の相場】 安くする方法を1級建築士が徹底解説 早めの外構計画が重要な理由をご覧ください。

また、設定GLを高くしすぎてしまうと

  • 外構工事で必要な土の量が増えて費用が余分に掛かってしまう
  • 土留の為のブロックが1段追加で必要になり費用が余分に掛かってしまう
  • 玄関までのアプローチが急になり、階段が追加で必要になってしまい、費用が掛かる

というような事態になってしまいます。

特に注意したいのが、

・敷地が2面以上の道路に接している場合

・旗竿形状の敷地

・隣に実家があるなど、同一敷地内に新築する場合

です。これらの場合は慎重にGL 計画をしないと上記のような問題が後から湧いてきます。

設定GLについてさらに詳しく知りたい方は深基礎が必要?外構工事で重要なGL設定の考え方新築では早めの外構計画が必要ですもご覧ください。

駐車場の必要台数

続いてはこちらです。

駐車場が何台必要なのかは最初の段階で決めとかないといけません。

都心部なのか、地方なのかで必要台数は変わってきますが将来的なことも見据えて計画しておくべきです。

敷地に余裕があれば現時点の必要台数+1台をどこかに停めるスペースがあれば良いです。

というのも

  • 来客の際に路上に駐車しなくて済む
  • 将来的に子供が大きくなった時の予備の駐車スペースとして使える
  • 夏に子供用のビニールプールを置くスペースとしても使える

というように駐車スペースに余裕をみておくと何かと便利です。

敷地スペースに余裕があると、つい

お客様
お客様

・枝ぶりの良いシンボルツリーを植えよう!

・家庭菜園のための畑をつくろう!

って考えがちですが将来的に本当にシンボルツリーや家庭菜園が必要か考えましょう

一旦、植栽を植えたり畑にしてしまうとやり直すのに新築の時以上に費用が掛かります。

敷地に余裕がなくて必要な駐車台数しかとれない時は仕方ないですが

余裕があってもう1台駐車スペースがとれそう、というのであれば一度、考慮してみてもいいと思います。

カーポート設置する?

駐車台数を決めたあとに考えるのが

カーポートをつけたいか、どうかということ。

カーポートをつけたい、という方は早めにその旨を住宅の設計士に伝えておいたほうがいいです。

なぜなら、カーポートを設置する時は支柱を設置しないといけません。

支柱が水道の配管と干渉してカーポートが設置出来ない、、って実はよくあります。

カーポートの支柱を計画する敷地の境界付近は水道の配管が通ることが多いです。

お客様
お客様

支柱なんて、そんなに大きくないし水道配管と干渉するの防げるんじゃない?

と、思われるかもしれないですが、支柱を固定するコンクリートは割と大きいです。(70センチ角くらい)

そしてカーポートの種類によっては深く土を掘って支柱を埋めないといけません。

また、どんな種類のカーポートにするかによって支柱の位置も変わってきます。

・何台用のカーポートにするか?

・支柱は片側?両側?それとも後ろだけのものか?

によって支柱の場所が決められてくるのでカーポートを設置する、という希望があるのなら早めに設計士に伝えて水道配管の位置を考慮してもらいましょう。

水道の配管でも雨水の配管は移動は難しくないですが、排水管や給水管となると移動が出来なくて結局カーポートを断念する、ということにもなります。

駐車場の計画に関するトラブルをもっと知りたい方は【外構で失敗したくない方へ】駐車場計画の必須項目7選新築の外構 をご覧ください。

車のタイヤどこに置く?

意外と忘れがちなのが車のタイヤをどこに置こう、ということです。

スタッドレスに履き替える地域に住まれるのかどうかで変わりますが、新居は積雪がある地域なのかどうかを確認しておきましょう。

タイヤはかなり大きいので置く場所に困ります。

車の種類によりますが、一般的な物でタイヤラックは幅80センチ、奥行き50センチ、高さ150センチ程度です。

お客様
お客様

それぐらいの大きさならどこでも置けそうなんですが、、、。

建物と敷地の境界にでも置けるかな、、、。

と、思われそうですが、タイヤを置いて人が通れるくらいの寸法がないと

いざタイヤを取ろうとした時にチカラが入らなくて持ち上げられない、、、。

となってしまいます。

また、タイヤを置く方角も出来れば決めておきたいです。

西日がガンガンに当たるところは避けた方がいいです。

タイヤは紫外線で劣化します。

タイヤラックカバーもありますが、こちらも紫外線でドンドン劣化していきます。

・タイヤラックを置いて外に保管する

・倉庫を設置してその中に保管する

・置く場所がないからトランクルームを借りる

というように、何となくでいいのでイメージを持っておくことが大事です

もっと詳しくタイヤ置き場について知りたい方は【新築で物置は必要?】物置の外構計画で注意すべきこと6選!をご覧ください。

タイヤは物置に入れるのが、一番スッキリします。

自転車の置き場所は忘れがち

これも盲点になりやすいです。

駐車場のことは最初に考えつきますが、自転車に関しては忘れがちな方も多いハズ。

でも、意外と重要なんですよね。

住んでいる地域が自転車が必要なのかどうかは確認が必要です。

住まれる予定の地域を確認してみなさん自転車を持ってるかどうかを見ておくのがオススメです

自転車が必要なのであれば

・何台必要か

・屋根は必要か?

・置きやすい位置か?

以上3点を考えましょう。

自転車を置く寸法としては1台につき、2m×60センチの寸法が必要です。

結構、場所を取りますよね。

家族4人だとすると2m×2.5mくらいのスペースがいります。

それも道路に面したところに計画しないと、敷地の奥のほうでは取り出しが困難です。

結局、道路に置いてしまってた、、、。なんて事になるとご近所迷惑にもなります。

もっと詳しく知りたい方は【自転車置き場の失敗を防ぐ!】新築の外構で注意するポイント5選もご覧ください。

外に物置を設置する?

外で使うスコップや、ホウキ等を置いておく場所が必要です。

アパートやマンション暮らしの時は特に必要に感じないかもしれませんが、

戸建て住宅に住むのであれば何かしらの外用品が必要になってくるからです。

・庭の掃除に利用するホウキやチリトリ

・洗車グッズ

・アウトドアグッズ

・自転車の空気入れ

・子供のビニールプール etc,,,

主に外で使う事の多いものは室内には入れたくないですよね。

なのでほとんどの方は外に物置を置くか、玄関に大きめのシューズクロークを設けてそこに外用品を収納します。

ただ、室内に収納を設けると

お客様
お客様

・他の部屋が狭くなる〜

・床面積に入るから建築費用が高くなる〜

と、なってしまいますよね。

大体8割くらいの方は外に物置を設置されます。

ただ、

家の計画が終わってから「物置、どんな大きさにしようかな〜」と悩まれることが多いので

結局、

・充分な大きさの物置が置けない

・物置は置けたけど、扉が開けにくい位置になってしまった

・物置の下に水道のマスが設置されていて水道のメンテナンスがしにくい、、、

というような問題が起こります。

外構で物置を設置するのか、設置するなら何を入れて、どれくらいの大きさが必要なのかをある程度考えておきましょう。

更に詳しく知りたい方は【新築で物置は必要?】物置の外構計画で注意すべきこと6選!をご覧ください。

水道のマス 邪魔にならない?

外構計画をしようとした時に水道の配管が邪魔で思うような外構にならない、、、。

これは【外構工事あるある】です。

水道の配管も邪魔になりますが、目立つのは水道のマスです。

マスがどういった物かというと

水道配管が合流する位置に点検用のマスが配管に付きます。

マスの大きさは直径15〜30センチ程度です。

このマスで色々とトラブルが起きます。

・玄関のアプローチにマスが設置されていてみっともない

・ウッドデッキを設置しようとした箇所にマスがあり、配管を移動させないといけない

・駐車場の車のタイヤが乗る位置にマスがあり、車で踏むとマスが割れてしまう

・シンボルツリーを植えようとした場所に水道配管があり、シンボルツリーが植えれない

・駐車場のコンクリート工事で水道配管が出てきてコンクリートの厚みが確保できない

など、水道配管で外構工事のトラブルを挙げればキリがないくらいです。

こちらも建物の配置を決める段階である程度の水道経路というのはわかってくるので

やりたい外構のプランが出来るかどうかを照らし合わせてみる必要があります。

まとめ

建物の配置を決める時って大体が設計士の言ったように決まっていきます。

  • 南側は隣地より離して計画しましょう
  • 西側はなるべく隣地に寄せて境界から80センチにしますね
  • 駐車スペースは2.5m×5mで考えておきますね

と、いった感じです。

それはそれで良いのですが、そこに皆さんのやりたい外構計画は含まれているでしょうか。

家の契約が済み、家の打ち合わせを進めるとほぼ間違いなく間取りやインテリアの事に夢中になり、外構のことを考えなくなります。

いざ、家の工事が進んでから外構の打ち合わせを始めたところで

「やりたいことが出来ない〜」となるのは当たり前の話です。

打ち合わせの段階から外構のイメージだけはしておくと良いです。

新築の打ち合わせ時に外構で考えておいたほうが良いことを知りたい方は新築の外構工事はいつから計画する?早めのタイミングがいい理由5選【1000棟以上の経験者が語る】も参考にしていただければと思います。

以上、失敗のない家づくりのお手伝いが出来れば幸いです。

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