外構って悩みが多い、、。その中でも駐車場は金額も高いし心配、、、。
外構工事で大きな割合を占めるのが駐車場です。
駐車場の計画を間違ってしまうと家づくりに後悔を残してしまうことに、、、。
外構って新築の建物とは別で考えてる方もいらっしゃいますが、早めに計画しておいたほうが
家づくりにおいて失敗は少ないです。
住宅メーカーをはじめ、建築会社の方から「外構はあとから考えましょう」って言われることも多いです。
というのも彼らはお客様に家づくりに集中してもらって家に費用を掛けてほしいからです。
失敗しない家づくりの為には早めに外構計画を始めることが重要です。
私は住宅メーカーで15年以上現場監督として勤務しております。
1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持ち、延べ1000棟以上のお客様を引き渡してきました。
現場監督はお客様から外構のクレームを聞くことが多いです。
建物の引き渡しが終わって、外構工事との橋渡しをする際に
外構業者から「これでは外構がスムーズに出来ない、、、」という声を聞くことが多いからです。
建物の引き渡しの段階で外構に関するクレームを頂いてもどうしようもない状態がほとんどです。
特に駐車場は外構の大きな部分を占める工事ですので早めに検討する必要があります。
早めに検討しようにも外構業者の選び方がわからない、、、という方は【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要をご覧ください。
【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要この記事を読むと、駐車場を計画する時に気をつける事がわかります。
早めに対策を立てるようにしましょう。
窓にカーポートの屋根フレームが重なってしまう、、、
引き渡し後によく聞くのがこれです。
屋根フレームとは屋根の骨組みのことです。
屋根全体を覆っている透明の板ではなく、アルミなどで出来ている骨格になる部分です。
せっかく南側に大きな窓を計画したのにカーポートの屋根フレームが被ってしまって開放感がない、、、。
南側道路に面している家に多いパターンです。
家の南側にリビングを配置して、大きな掃出し窓を設置する計画はよくあります。
そうすると、掃出し窓の前に駐車場を設置する、という計画になることが多いです。
「駐車場にはカーポートをつけたい」ということでカーポートを設置すると
窓の高さよりカーポートの屋根フレームの高さが低く、家の中からカーポートの屋根フレームが見えてしまいます。
リビングに大きな掃出し窓をつける理由として多いのは
・大きな窓で開放感がほしい
・明るいリビングにしたい
・掃出し窓から出入りしたい
カーポートの屋根フレームが窓に被ってしまうと開放感、明るさ、はなくなってしまいます。
室内から窓を見た時にカーポートの透明の屋根が見えるのならあまり気にならないですが、フレームが見えてしまうとせっかくの窓が台無しになります。
また、カーポート屋根のフレームが室内に影を落とすのも住んでみると気になるもの、、、。
せっかくオプションでリビングは天井高までの大きい窓にしたのに、、、。
窓のオプションって結構高額ですよね、、、。
こうなるのであれば
カーポートに掛かりそうだからリビングの窓は高さを考える、もしくはカーポートの屋根の高さを早い段階で検討しておく事が必要です。
カーポートが干渉して窓が開かない
カーポートの屋根フレームと同様に多いのがこの「窓が開かない問題」です。
洗面所やトイレなどの換気をしたい時に窓を開けようとしたらカーポートに当たってしまう。
家の窓が引違いタイプだと問題ないですが、滑り出し窓の場合は注意が必要です。
滑り出し窓とは、外側に開くタイプの窓です。
このトラブルはカーポートの支柱に干渉するか屋根に干渉するかで対応が変わります
カーポートの支柱が当たってしまうのであれば、支柱の位置を左右逆にすれば解決出来ますが
支柱の位置を決める時は
・建物の水道配管の経路
・電柱などの構造物
・車の出入りのしやすさ
を考慮する必要があります。
・支柱をカーポートの後ろ側に立てるタイプにする
・建物の配置計画を見直す
ことで解決出来ますが、カーポートの支柱を後ろに立てるタイプは高額な商品が多いですし
建物の配置計画を見直すのは建物の打ち合わせが終わってしまうと不可能です。
カーポートの屋根自体が当たってしまうのであればそもそもの建物の計画を考えなければいけません。
特に、注意が必要なのは駐車場になる箇所が深基礎になっている場合です。
深基礎の場合は通常よりも地面からの窓の高さが高くなります。
(深基礎って何?という方は深基礎が必要?外構工事で重要なGL設定の考え方新築では早めの外構計画が必要ですをご覧ください。)
また、カーポートの高さは既製品で高さが決まってます。
そのため、屋根の高さを低くすることは可能ですが高くすることは難しいです。
(支柱を地面に埋め込む寸法が決まっている為)
カーポートの高さを高くして回避出来るのであればいいですが、難しいようであれば
- 窓の高さを変える
- 窓の種類を滑り出しではなく、引違いやFIXに変える
- そもそも窓をなくしてしまう
という解決方法になります。
窓の種類や位置は建築確認という行政への申請が絡んでくることなので、建物の打ち合わせが終わると変更が出来ないことが多いです。
こちらも先程のケースと同様に建物の計画の段階から駐車場の計画をしていたら防げます。
雪がカーポートの屋根から隣の敷地に落ちてしまう
カーポートは敷地境界の近くに計画することが多いです。
カーポートの屋根は勾配がついており、支柱方向に水が流れるような製品が一般的です。
その場合、雪の降る地域だと屋根に溜まった雪が隣の敷地に落ちてしまうことがあります。
隣の家の敷地に雪が落ちて何か破損させたらどうしよ〜
外構の計画をしてる時はそんな事あまり気にされない方が多いですが、いざ住んでみると隣の家に迷惑を掛けるのって結構気をつかいます。
だからと言って、カーポートを敷地の境界から離して計画すると外構計画で無駄な部分も出てきます。
カーポート屋根の勾配を反対側(自分の家側)に向けようと思うと支柱が建物側にくるので先程の項目にあったように窓と干渉する可能性もあります。
雪が降るエリアで、お隣さんともカーポートの距離が取れない、という方は「逆勾配タイプ」、という商品があります。
通常の勾配タイプよりも費用は上がりますが、ご近所との関係が心配であれば逆勾配タイプ(前下がりタイプとも言います)を視野に入れていただくと良いです。
逆勾配タイプは通常のタイプより5万円前後、金額が上がりますがその後のトラブルのことを考えると採用してみてもいいと思います。
注意点としては雨樋が屋根の先端から支柱側につくので支柱付近の有効高さが低くなります。
前の道路が狭くて駐車場への乗り入れがしにくい
駐車場のスペースは1台当たり3m×6mが基本です。
建物の配置を考える時も、駐車台数を何台にするか、で計画が変わってきます。
設計士から「車は何台を予定されてますか?」という質問に対して仮に「2台です」と答えると
敷地から6m×6mを省いた範囲で建物の計画をしていきます。
ただし、
単純に台数だけで駐車スペースを決めてしまうのは危ないです
駐車に影響があるのは駐車スペースの範囲だけでなく前面道路の影響も大きいです。
道路の幅が5m以上あれば、単純に駐車スペースの幅を1台あたり3mで計画されても問題ないですが、道路の幅が5m未満となると駐車スペースの幅が1台3.5m程度あったほうが良いです。
毎日車を運転される方であれば駐車するのに何度も切り返しをしないといけない、というのはかなりストレスです。
また、ここでもカーポートが影響してきます。
建物の打ち合わせの際はカーポートなんて予定していなかったのにいざ外構の打ち合わせをするとカーポートをつけたくなる、というのはよくある話です。
カーポートを設置すると支柱があるため、有効な駐車場寸法が小さくなります。
片側の支柱のカーポートで有効寸法が30センチ、
両側の支柱のカーポートで有効寸法が60センチ小さくなります。
例えば、駐車スペースを2.7mで計画していて、何とか駐車出来るかな、と考えてるとします。
この場合、あとからカーポートを設置することに決めると、
有効寸法がおよそ2.4mになってしまい、割とカツカツな駐車計画となってしまいます。
この点からしても早めにある程度の駐車場の計画をしておくことは重要です。
駐車場から玄関へのアプローチが悪く不便
駐車場から玄関へのアプローチをなるべく最短で安全、かつ靴が汚れないルートにすることが大切です。
なぜなら
車に乗る方なら毎日通る動線であり、ここにストレスを感じると
毎日、駐車場〜玄関へのアプローチが苦痛。外構のリフォームしたい、、、。
という後悔をすることになります。
具体的にどういうアプローチがストレスになるかというと
・駐車場から一旦道路に出ないと玄関にたどり着けない計画
・駐車場から玄関までの間に芝生や土の所を通らないと行けなくて靴が汚れる
・駐車場から玄関までの間が暗くて、夜は足がつまづきそうで怖い
駐車場に停めてから、一旦道路に出ないと玄関に到着出来ない計画は避けたほうがいいです。
なぜなら、シンプルに危ないからです。
例えば、小さいお子様が車から降りて玄関に向かおうと思ったら一旦道路に出ないといけない、、、。
結構危なくないですか?
もしくは、子供の送り迎えで荷物を両手に抱えて道路に出るのも自動車や自転車に接触しそうで危険です。
駐車場から玄関までは自分の敷地内だけを通って到着出来るような計画にしましょう。
玄関から駐車場に到着するまでに靴が汚れてしまうのはとてもストレスを感じます。
駐車場計画が難しいような敷地、玄関から少し離れた箇所に駐車場を計画する場合に起こりやすい事例です。
芝生を歩くとわかりますが、芝が靴につくことが多かったり、泥が靴の裏について取れないことが多いです。
また、外構は新築が出来てからしばらく後でやろう、
とか、時間が出来たら自分でDIYをしようと思っている方が土のままの状態でずっと長い間そのままにしておくことも珍しくないです。新築での外構工事 しないのはアリ?外構はあとから、はダメな理由 5選【1級建築士が徹底解説】 も合わせて読んでいただくと参考になると思います。
駐車場と玄関の間に土や芝生の箇所がないかをチェックしましょう。
玄関までのアプローチでつい見落としがちなのがこちらです。
駐車場と玄関の間に照明を計画するスペースを考えてなかった、、、
や、外壁にセンサー照明をつけておけばよかった、、、。
などを感じられる方は以外と多いです。
特に、深基礎で玄関ポーチの段数が多い場合は要注意です。
玄関と駐車場の間で1箇所くらいは照明が設けれるように計画するといいと思います。
外構での失敗事例を知りたい方は新築の外構 失敗しない為に 早めに計画しておくべき理由【1級建築士が徹底解説】もご覧ください。
駐車場の勾配が大きくて使いにくい
駐車場は基本的には道路側に水が流れるように勾配をつけて計画します。
水溜りが駐車スペースに出来るのを防ぐ為です。
この勾配は1〜2%程度で計画すること多いです。
例えば6mの奥行きの駐車スペースだと道路側から6センチ〜12センチ程度上がったところが駐車場の端になります。
この勾配はGL設定によって変わってきます。GLについて詳しく知りたい方は外構で失敗しない為の家の配置、GL計画、新築打ち合わせで必ず確認する7つの事をご覧ください。
GL設定が高すぎると、駐車場の勾配が大きくなります。
勾配が大きくなると困ることは
・駐車の際にアクセルを踏み込まないといけない
・駐車場が下り坂になるので危険
・勾配が大きすぎると車の底が擦ってしまう
などが挙げられます。
駐車場の勾配が10%近くになると車種によっては車の底を擦ってしまうことがあります。
奥行き6mで60センチの高低差なのでよっぽどそのような計画になることはありませんが
前の道路が坂道になっていることで部分的に駐車場が急勾配になってしまうことがあります。
その場合は駐車場の奥行きを大きく計画するというような工夫が必要になるので、あらかじめ建物の配置計画を密にすることが大切です。
駐車場をコンクリートにしといたらよかった、、、
駐車場の費用って外構工事の中でも大きな部分を占めます。
なんとか、少しだけでも外構工事を安くできない?
という費用面でのご相談に関しては、金額の大きい所を削減していくのが一番やりやすいです。
例えば、駐車場の床の材質をコンクリートから砂利に変える、という方法がとられることもあります。
この方法はあまりオススメしません。
なぜなら
・車の出し入れで砂利が道路に出てしまう
・タイヤが乗る箇所の砂利が凹んでいく
・雑草が生えてくるので手入れが面倒
・水道配管が通っていると配管を破損する可能性が高い
など、デメリットが多いです。
駐車場の仕上げをコンクリートにすると、およそ1万円/㎡程度掛かります。
車1台分だと、17万円前後、2台分だと30万円前後。
※2台分にすると作業手間代が少し安くなる場合が多いです。
この費用をケチってしまうと後悔します。
あとからやりかえるには余計に時間とお金が掛かります。
新築の外構時に1度にするより、あとから駐車場だけ工事をする方が時間もお金も掛かります。
あとから行うと、その為だけに重機やダンプが必要になるので割高になります。
新築の建物に関する打ち合わせが全て終わったあとだと、外構の予算が組みにくく
ちょっとした費用の増加にも対応しにくくなってしまいます。
出来るだけ早く外構工事について、ある程度の打ち合わせをしておくのが理想的です。
外構の駐車場計画は建物の計画と一緒に進めましょう
外構で駐車場を計画する時の注意点のおさらいです。
・窓とカーポートのフレームが被る
・カーポートと窓が干渉して、窓が開かない
・カーポートの雪が隣の家の敷地に落ちる
・前面道路が狭くて駐車場に入りにくい
・駐車場から玄関のアプローチが不便
・駐車場の勾配が大きくて使いにくい
・駐車場の仕上げをコンクリートにしておけばよかった
外構計画で大きな部分を占める駐車場工事では以上のことを気にかけると失敗を防げます。
注意してほしいのが建物の計画と一緒に外構の計画も進める、ということです。
- 建物の間取り、窓の位置計画をある程度考える→カーポートに干渉しないか確認する。
- 前面道路の幅から、駐車場の大きさを検討する。→建物の配置を決める。
- 建物の間取りが決まる→玄関のアプローチに不都合がないか確認する
というように、建物の計画と外構の計画は一緒に考えないといけません。
建物の計画をみっちりした後に、外構計画を始める方が多いです。
あとから外構計画を始めると、外構で不都合があった場合に建物の計画に再度戻る、ということが出来ません。
建物打ち合わせ中にある程度の外構計画が決まっているとそれを参考にプランを考えることが出来ます。
外構業者の選び方がわからないという方はをご覧ください。【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要
【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要外構業者の選び方は色々とありますが、自分にはどの選び方が合っているのかを確認していただけます。
以上、外構計画も含めてお家づくりです。
後悔の少ない家づくりを進めていきましょう。