家の間取りを検討するときにやってみたいことの1つ それが
吹き抜けをつけたい
これですよね
特に、リビング、玄関に吹き抜けを計画したい、という方は多いです。
ここで気になるのが
吹き抜けを玄関に計画するのってどうかな〜、リビングはよく聞くけど
玄関に計画するのが不安で〜
これですよね
今回は、玄関に吹き抜けを計画したい方にメリット、デメリットをお伝えします。
メリット、デメリットを知った上で自分にとって最良の選択をしてもらえると嬉しいです。
結論から言うと、気密性、間取りを考慮したら玄関に吹き抜け、全然オッケーやで!
一級建築士、一級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持ち、今までに1000棟以上の住宅を引き渡している経験から話させてもらいます。
玄関に吹き抜けを計画するメリット デメリット
メリット1 玄関が明るくなる
まずは、これですよね。吹き抜けがあることで玄関のイメージがガラッと変わります。
特に玄関というのは家の顔です。
毎日出入りするところで暗い玄関だと気が滅入ってしまいます
玄関は間取りを考えていくと暗くなりがちです。
なぜなら、玄関は家の端に計画することになりますし、シューズボックスやシューズクロークを計画すると
玄関の窓の大きさは必然的に小さくなります。
玄関サッシは通常、防犯の為に大きな窓はついてません
以上のことから玄関は大抵の場合暗くなってしまいます。
そこで、吹き抜け、ですよね。
2階の高さに窓がつけれるので玄関が劇的に明るくなります。
60センチ×180センチ程の窓を1つ計画するだけでも玄関の明るさはガラッと変わります。
メリット2 玄関に開放感が出る、広く感じる
続いてのメリットはこれですよね
玄関が与える家のイメージってめちゃくちゃ大きいです。
どんなに大きな立派な家でも、オシャレにこだわった家でも
玄関が狭く、暗いと、家の印象も下げてしまいます
一般的な30坪程の家の場合、玄関の大きさは3畳〜5畳程の空間になります。
吹き抜けにするとそこの容積が倍になるわけなので必然的に広く感じます。
天井が高いと開放感があるのは皆さんも色んな場面で経験されてるんじゃないでしょうか。
特に、玄関にこだわりたいっていう方は玄関に吹き抜け+階段を計画するとより一層、開放感がでてゴージャスな印象になるで〜
階段まで玄関に計画して、となると広い空間が必要になるため、2階にお風呂を計画したり、ちょっと間取りに工夫が必要になるかも、、。
それでもこだわりたい方にはオススメのプランです。
デメリット1 玄関が寒い、暑い
続いてはデメリットです。
まずはこれです。
玄関に吹き抜け計画したけどやっぱり寒いわ〜
寒い、暑いは吹き抜けでよく聞くお声ですよね。
特に玄関って土間が大部分を占めるので、暑いというより、寒くなりがちです
土間ってコンクリートの上にタイルを貼ったり、モルタルを塗ることが多いのでフローリングの部分より寒くなりやすいです。
コンクリートを触ると冷えた感じがするのはイメージ出来ると思います(熱伝導率によるものです)
デメリット2 玄関の音が上階に響く
デメリット2つ目はこれです
吹き抜け全般に言えることですが、音がよく響きます。
玄関で立ち話をしている声だとか、靴をトントン履くときの音など2階の部屋に響きやすいです。
個室にいる時にこういった音がすると気になるかもしれません。
また、逆に2階の個室の音が玄関に聞こえやすくなります。
デメリット3 掃除、メンテナンスがしにくい
デメリット最後はこれです。
- 吹き抜けの窓ガラスに鳥の糞がついた
- 吹き抜けの壁紙に隙間が空いてきた
- 吹き抜けの天井につけている照明の電球が切れた
- 吹き抜けの窓台の上のホコリが気になる
などです。
一つ一つは大したことではないですが、吹き抜けのデメリットとしてよく挙げられるものです。
お客様からよくご指摘の多い項目になります。
特に吹き抜けの壁紙の隙間は職人さん1人では作業が危ないのでハシゴを下で持つ人も必要になってきたり、
吹き抜けの天井の照明器具の不良の場合はそのためだけに室内に足場を組んだり、
など住んでからストレスを感じることがあるかもしれません。
デメリットをなるべく減らして玄関に吹き抜けを計画する方法
デメリットもわかったんですけど、やっぱり玄関に吹き抜け計画したいなー、
何かいい方法ありますか?
ですよね、ちょっとでもデメリットを減らす方法をお伝えするで〜
気密性、断熱性の高い住宅会社を選ぶ
寒い、暑い、という問題を解決しようと思うと気密性、断熱性は切ってもきれない関係です
気密性、断熱性が高いと家の熱が外に逃げにくいです。
特に暖かい空気というのは上に上がっていきます。そうなると天井付近に暖かい空気が溜まります。
気密性が悪いと天井付近に溜まった空気は外に逃げてしまい、いつまでたっても玄関の土間付近が暖まりません。
これが、気密性、断熱性の高い住宅だと熱が外に逃げていきにくいので
玄関の寒い、暑いが軽減されます。
断熱性というのは使用されている断熱材とその厚みに起因します。これは住宅会社によっては選べることもありますので一度相談してみるといいと思います。
気密性は残念ながら、その住宅メーカー固有の技術です。施工方法、施工材料、職人の技術により決まります。
お気に入りの住宅メーカーがあるのなら平均の気密性能値を聞いてみてください。
C値(シーチ)で表されますが1.0以下ならまずまずの値だと思いましょう。
どこの住宅会社でも気密性能の基準値、平均値を持っているわけではないです。
C値を聞いてみて、はぐらかされるようであれば気密性能を重視していない会社だと思っていいです。
個人的には気密性能にこだわっていない住宅というのはこれからの時代に追いついていけなくなるのではないかな、と思うので要注意です。
国の指針としても省エネ住宅というのが重要視されてきてますのでそこを無視しては住宅は今後建てれなくなる、というのが最近の住宅会社事情です。
気密性、 (C値)あなたのお家、大丈夫?音について あまり気にしない、、、
続いてはこちらです。
玄関で音が響いても上階の部屋で気にならなければ良くないですか?
ということです。
玄関で音がする時って
- 玄関で友人とおしゃべりする
- 玄関で靴を履く
そんな時ぐらいですよね。
この時間帯って2階の個室やら寝室に人がいる時間帯ですか?
そうではないことが多いと思います。
で、あれば思い切って音が響く、というデメリットは捨ててしまっていいのかな、と思います。
リビングに吹き抜けを設ける場合はテレビの音、談笑の音、などデメリットとして捉える必要がありますが、
玄関に関してはよっぽど個室にずっと籠もって作業される、音に関して敏感、という方以外は無視していいと思います。
※ちなみに壁に吹き抜けに面している壁に断熱材を入れる、という方法もありますが、劇的な防音にはなりませんのでご注意ください
吹き抜けの掃除、メンテナンスの方法について
吹き抜けの掃除、メンテナンスについて
・窓ガラスの掃除・・・ホームセンターに売っている、高いところでも届くガラス掃除用のモップ
これは実際、私が使ってますが酷い汚れは落ちますが、細かいところまでは掃除が行き届かないです。
高いところに届くように棒が伸縮式になっていますが、その分、モップ部分に圧力をかけて掃除をすることが出来ず、ふんわりガラス面を掃除する形になります。
そこまで吹き抜けのガラスに完璧な透明感を求めない方であればそれで十分です。
・吹き抜けのクロスの隙間・・・こちらは隙間があいてこないようにする為に通常クロスの隅に使うボンドコークを隙間があきにくいシリコンコークに変えてもらうなど対応が可能です。住宅メーカーに相談してみるといいと思います。
・吹き抜けの照明の電球が切れた・・・こちらに関しては照明をLEDで計画することでよっぽど器具を交換する頻度が減ります。玄関の照明は日中は吹き抜けなので明るいので点けないですし、夜間もずっと点ける物ではないのでほぼ交換不要と考えていいです。LEDの寿命はおおよそ4万時間程、玄関の照明を夜間つけるのって生活スタイルにもよりますが5時間程と考えると20年程度は交換不要ということになります。
もしくは吹き抜けの天井に照明を設けず、壁にブラケット照明と呼ばれる壁付照明をつければ交換する際も脚立程度で交換出来るので不安はなくなります。
・窓台の上のほこり・・・割と遠目から見ると気になります。ただ、そんなに高い位置に窓をつけなければ十分掃除可能です。床面から3mくらいの高さであれば脚立を伸ばせば掃除出来ます。(ただ、窓の下枠だけです。縦枠などは諦めましょう)
まとめ
玄関に吹き抜け、憧れますよね。
メリット、デメリットを考えた上でどうするかを決めていただければと思います。
一番は なぜ 吹き抜けをつけたいか、ということです
- 玄関に明るさを徹底的に求めるから
- 玄関の印象をどうしても高めたいから
というのであれば吹き抜けを優先して計画してもいいです。
ただ、
床面積大きくなると建築費用が高くなるし〜
というような、間取りに対する憧れだとか、家に対するこだわり、という部分が理由ではない場合は吹き抜けをオススメしません。(住宅メーカーによっては床面積が○○㎡以上は値段がグッと上がります、というようなルールがあります)
やっぱり、なんといっても冷暖房効率も悪いですし、手入れも大変ですし、こだわりがない方にとっては手間にしかならないです。
メリット、デメリット理解された上でやっぱり、吹き抜けつけよう、
多少暑かろう、寒かろう、掃除に手間かかろうが
毎日の充実感や、この家にしてよかった、という満足感は日々の糧になります。
今しか、吹き抜けに対して悩める時はありません、家を建ててからでは間違いなく変更できません。
後悔のないお家づくりの手助けになれたら嬉しいです。