ジャンカ、コールドジョイント 家づくりの基礎工事 注意ポイント


いよいよ基礎工事が始まりました

契約、打ち合わせ、と長かった家づくりもようやく工事がはじまったなー、という感慨にふけっているところに直面する問題、

それが

 お客様
 お客様

基礎工事に不具合あるんちゃうん?

ということです。

今回は住宅の基礎工事で特に問題が起きやすい

・ジャンカ

・コールドジョイント

についてお話させていただきたいと思います。

これを読んでいただくと

・ジャンカ、コールドジョイントの原因

・ジャンカ、コールドジョイントの対応方法

がわかります

 わたし
 わたし

1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持ち

新築住宅1000棟以上建ててる経験から皆さんのお役に立てればと思います。

家づくりは初めて、という方がほとんどです。

基礎工事が始まった段階で外構に関しても大まかな計画をしておいたほうが良いです。(本当はもっと早い段階の方がより良いですが、、、)

外構をこれからお考えという方は 外構業者はどうする?選び方に迷った時大切にすること5選【1級建築士が解説】もご覧ください。

【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要

今後、新築の仕上がりが心配、という方は【HMの中の人が解説】竣工検査(施主検査) 立ち会い必要?トラブル防止方法とはもご覧ください。

家づくりは心配ごとがつきもの。あらかじめ、考えておくことで不安が拭えることもあります。

ジャンカの原因について

ジャンカとはコンクリートに含まれている砂利が露出している状態です。

通常、基礎コンクリートはツルッとした平面です。

これが、ジャンカが出来ると、ガタガタで穴が空いたような状態になります

ジャンカの出来る原因は

  • コンクリート流し込み時に横流し(コンクリートを平行移動させる)の距離が長かった
  • コンクリート流し込み時に締固め(しめかため)(※砂利、砂、セメントを混ぜること)が充分でなかった

ということが原因となります。

横流しについて

コンクリートは 水、セメント、砂利、砂、が主な成分です。

この中で、砂利と砂の違いは粒子の大きさです。

 わたし
 わたし

砂利の方が、砂より粒子が細かいねん

ということは、砂利の方が、砂より重く、コンクリートを流した時に平行移動せずにその場に

とどまることが多いのです

平行移動をさせると軽い砂ばっかりが遠くまでいき、砂利はその場にとどまるのでコンクリートの中の成分にばらつきが出来ます

砂利が多い箇所が出来ると、砂利は粒子が大きいので空隙が多く出来ます。

これが横流しによるジャンカの原因です

締固め(しめかため)不足について

ジャンカの主な原因2つ目は締固め不足です

お客様
お客様

締固めって何?よくわからへん、、、。

ですよね

締固めというのはコンクリートの成分(水、セメント、砂利、砂)が均等に混じり合うように、またはコンクリートの中の空気を外に追いやるためにする行為です

コンクリートの流し込みを見ているとバイブレーターという細長い棒のようなものをコンクリートに突っ込んでいたり、型枠をハンマーで叩いていたりする行為を見ることがありますが、それが「締固め」という行為です

これが不足していると先程ように砂利ばっかりが溜まっている箇所、というのが出来るとそこに隙間があきます。

また、締固め不足だと空気がコンクリート中に残ってしまい、それが型枠を外した際に空隙となりジャンカとなります

砂場でバケツに砂と小石をいれてひっくり返して山を作ろうとした時に小石が多い部分があったら隙間が出来るのが想像できると思いますが、まさにそんな状態です

 わたし
 わたし

多少のジャンカはどうしても出来てしまう、大事なのはその後どういった対応をするかということやで

ジャンカは型枠を外してみるまで出来ているかどうかわかりません、型枠の下の方に小さい穴ぼこが出来ていたり、というのはどれだけ丁寧にコンクリートの流し込みをしても出来てしまいます。

 わたし
 わたし

ただ、明らかに砂利のゴツゴツした感じが基礎表面に何箇所も出来ているのであれば施工者の技術不足も考えられるで〜

ジャンカの対応方法

ジャンカはその段階によって対応方法が違います

酷いほうから説明すると

砂利が見えていて、叩くとポロポロとれる状態

この状態が私が今まで見てきた中で一番ジャンカの程度としては悪い状態です

表面から砂利が見えていてハンマーで叩くとポロポロ崩れる状態

この状態ですと、コンクリートの強度も落ち、鉄筋までの隙間も多いことから鉄筋の腐食する可能性も高くなります。

 わたし
 わたし

この場合、健全部(問題ない箇所)までコンクリートをはつり取り、無収縮モルタルで補修するっていう方法が一般的やな

そうです、叩いてポロポロ落ちてこなくなるレベルまでコンクリートを削って、その後に無収縮モルタルと呼ばれる強度のあるモルタルで補修します

ジャンカによって凹凸が出来た部分を平らにするようなイメージです

砂利が見えてボコボコしているが叩いてもコンクリがポロポロ落ちてこない

この状態はたまーに見る状態です。

砂利の形でボコボコしてますが、ハンマーで叩いても周りの砂利などが落ちてこない状態です。

この場合でも密実なコンクリートとは言えないので鉄筋の腐食が通常よりも進む可能性があるので補修が必要です

 わたし
 わたし

補修方法はボコボコがなくなるように削り取って、ポリマーセメントペーストを塗ったあと、ポリマーセメントモルタルで平らになるように補修、やな!

ジャンカの場合は叩いてみないと、深刻さがわからない、というのが正直なところです。

見た目ではなかなか判断出来ません。

もしポロポロ砂利が落ちてしまうレベルであればよっぽど高さのある基礎(高さ2mくらい)ということでなければ住宅基礎としては施工者の技術を疑うレベルです。

普通の基礎であれば、この叩いても落ちてこないレベル、か次に説明するレベルがほとんどです

砂利が表面に見えておらず、細かい空隙だけ見える

これはよく基礎の足元部分に見られます。

立ち上がり基礎とベース基礎の際あたりで型枠の隙間が出来、そこからセメントペーストが流れることで出来る空隙です

 わたし
 わたし

正直、このレベルのジャンカはどこの現場でも多かれ少なかれあるで〜

そうです、どこの家でもあるレベルです。

見た目には気泡が入ったような表面になってますが、どれだけ施工に配慮しても多少は出来てしまうレベルのジャンカです。

個人的にはジャンカと呼ぶレベルではないと思ってます。

補修する必要はありませんが、どうしても気になるのであればモルタルで表面の気泡がなくなるように塗ってもらってもいいかもしれませんが、このレベルであまり注文をつけるのも後々のことを考えるとあまりオススメ出来ません

 わたし
 わたし

直す必要のないとこまで注文つけるのは住宅会社に変なプレッシャー掛けるし、業者にも変なプレッシャー掛けるしやめといたほうがいいと個人的には思うで!

コールドジョイントの原因について

続いてはコールドジョイントについてです

コールドジョイントは夏場に起こりやすい不具合です。

通常コンクリートは打ち継ぎ箇所は時間をあけずに流し込みする、というのが原則です

コールドジョイントはその打ち継ぎに時間が掛かり、ある程度固まってしまったあとにその箇所にコンクリートを流しこんでしまった結果起こる不具合です。

打ち継ぎ箇所がはっきりとわかるようになっているのであればコールドジョイントと考えて間違いないです(型枠のつなぎ目ではないです、コンクリートの打ち継ぎ箇所です)

コールドジョイントによりコンクリート同士に隙間が出来、そこから鉄筋の腐食に繋がり強度が低下する、というのがこの不具合の怖いところです。

 わたし
 わたし

ちなにみ、コールドジョイントは住宅基礎の場合、立ち上がりに斜めに入ることが多いで〜

そうです、大抵は立ち上がり部分に斜めに入ります。

平屋など基礎面積の大きい、立ち上がり箇所の多い基礎は特に注意が必要です。

一般的にはコールドジョイントが出来ないようにコンクリートの流し込みの順番を考えて施工しますが、それでも気温が高すぎたり、生コン車の到着が想定より遅れてしまったり、という不測の事態で起こることがあります。

夏場は特にコンクリートの硬化が早いので施工者は先行して流し込んだコンクリートが固まらないようにバイブレーターを入れるなど気を遣うことが必要です。

また、施工場所が狭くて生コン車が超小型と呼ばれる小さいサイズの車両しか進入出来ない現場だと、超小型サイズが現場と生コンプラントを往復するのに時間が掛かりコールドジョイントに対するリスクが高まります。

 わたし
 わたし

暑い時期はコンクリートの硬化を遅延する遅延材と呼ばれる材料をコンクリートにいれるべきやな

コールドジョイントの対応について

コールドジョイントでも重度の物とそうでない物があります。

色違いがくっきりしているが隙間がなく縁切れしていない

大抵はこのパターンだと思います。

コールドジョイントは型枠を外した時に発覚しますが、その際に上下で色違いがくっきりわかると思います。

色違いはあるが、縁が切れていない(色違いだけで段差はない)のであればポリマーセメントを塗り込む、ということで問題ありません。

この場合、コンクリートに隙間があり鉄筋の腐食につながる、や、コンクリート同士が縁が切れていて強度がない、という状態ではないからです。

コンクリート同士が縁切れしている

続いては、コンクリート同士の縁が切れている状態です。段差がある状態、ひび割れしている状態と考えていただければ大丈夫です。

この状態ですと、通常はひび割れ箇所の片側をU字にカットしてその部分にシーリングを充填します。もう片側からエポキシ樹脂を注入する、という方法が一般的です

 わたし
 わたし

不具合、と聞くと心配するかもしれんけど、そんなに大掛かりな補修じゃないから安心して〜

 お客様
 お客様

ほんまにそんな補修方法でいいの〜。なんか不安やわ!

これですよね、お客様からすると基礎の不具合、ほんまにそんなんで大丈夫?と思うのも当たり前です。

私の経験からすると、コールドジョイントをお客様にお伝えしても安心されない方が多いです。

そんな方には基礎を削りとって、鉄筋部分を露出させて、再度コンクリートを流し込む、という方法をとったこともあります。

通常であればそこまでの補修は必要ないですが、どうしても心配、という方は住宅会社の方に相談してみてもいいと思います。

まとめ

コンクリートの不具合は心配ですよね

基礎工事は家の工事が始まって序盤中の序盤の工程です

この時点で不安を持ち始めると

 お客様
 お客様

ほんまにうちの家大丈夫〜?先行き不安やわ!

と思われるのが当然だと思います。

でも、しっかりと対応してもらえれば何の問題もありません

 わたし
 わたし

今まで、1000棟以上住宅建ててきたけど、コンクリートの補修した家含め、その後基礎に問題あったことはないで〜

これです。

しっかりと補修などの対応してもらったら長きに渡って問題ありません。

補修、という言葉が嫌かもしれませんが、住宅建築にとって全ての物が取替え可能なわけでもないですし、建て替え可能な物でもありません

 お客様
 お客様

新築やのに、補修ってどういうこと〜

というお気持ちは痛いほど分かりますが、それが最善の策だということを住宅会社の方との話の中でご理解いただきたい部分ではあります。

というわけで、基礎工事中の不安が少しでも小さくなってくれたら嬉しいです!

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