家づくりが終盤に近づいてきました。
ワクワクした上棟が終わり、
大工さんの工事が終わり、室内のイメージがだいぶ分かるようになってきました。
ようやく、そろそろ引き渡しか〜、とそんな時ふと考えるのが
建物の竣工検査、立ち会い必要?
これですよね。
竣工検査、完成検査、施主検査、呼び方は様々ですが、
要は、建物が完成して、引き渡しまでの間で何か不備がないかチェックする検査、のことです
(役所の方などが来る公的な検査とは違います。そちらは建築基準法に基づく完了検査です)
今回はそんな、竣工検査に立ち会ったほうがいいかどうかお悩みの方に
1級建築士、1級施工管理技士、宅建士、インテリアコーディネーターの資格を持ち、住宅メーカーで15年以上働いた経歴を持ち、延べ1000棟以上のお家を担当した経験からお答えします。
結論からお伝えすると、
「立ち会ったほうがいい」となります。
その理由を説明させていただきます。
竣工検査は立ち会ったほうが良い
引き渡し後だとやり直しがしにくい
まずはこれです
引き渡し後になると、お互い時間合わせなあかんし直せるもんも直しにくいわ〜。
これですね。
皆さんが、竣工検査立ち会ったほうが良いかな〜、と少なからず思っているなら絶対立ち会うべきです。
皆さんが、立ち会ったほうがいいかな〜、と思う理由としては
- 引き渡し後だと言いにくいな〜
- 傷とかついてないか不安だな〜
- 最終仕上がって動作確認とかしたほうがいいよな〜
といった理由だと思います。
その思いは当然だと思います。
ただ、作り手からすると
上記3つの理由ではなく
引き渡し後になると、お客様と時間合わせなあかんし、職人の時間もそれに合わせなあかんし、自分の時間もそれに合わせる、となるとめちゃめちゃ時間制限されるやん〜。
という理由で引き渡し前に言っといてよ〜、となります。
もしかしたら、皆さんの中には
竣工検査で色々注文つけるって、住宅会社の方に悪いかな〜、気を悪くされるかな〜
と、心配されている天使のような方もいらっしゃるかもしれません
そのお心遣いは大変嬉しい所ではありますが
現場担当の側からすると、引き渡し前に言ってもらえた方が助かる
となります。
想像していただくとわかると思いますが
引き渡しで鍵をお渡しします、そうすると住宅会社の人間はあなたの家に勝手に入ることが出来なくなります。
そして、引き渡し後、は皆さんの引越しがあります。
引越しをされると家具など、食器など、生活用品が入ります。
家具が置かれるとみなさんが手直ししてほしい箇所が家具の裏にきてたりすると
家具を動かす手間も増えます。
食器が入ってるとそこを手直しするために食器を動かさないといけないかもしれません
何か、工事の人に私の食器とか触られるの嫌〜。
ですよね、何か嫌ですよね。コロナの時期でもありますし余計に、、、。
そうなんです、想像しにくいかもしれませんが引き渡し後に手直し工事、となるとちょっとしたことでも手間が大きく掛かります。
これは工事業者が、手間が掛かる、というだけでなくお客様自身も手間と時間が掛かる
おまけに家具動かしたり、食器動かしたりすることで他の箇所傷つけたり、っていう余計な心配も起こります。
ということで気になったことを伝えたほうがお互いの為、ということになります
住宅メーカー、工務店の方もお客様目線を気にしている
現場監督であったり、住宅会社の方もお客様目線を気にしています。
これは大前提として、お客様によって仕上がりの精度が違う、ということではないのでそれを踏まえてです。
現場監督であれ、職人であれ、どの現場であれ全力を尽くしてます。
このお客様はこれくらいの精度にしとこうか〜、といった器用なことは出来ません。
ただ、
自分たちがこれは合格点だろう、という施工精度を
お客様が見て、これは不合格だろう、
というギャップがあるなら引き渡し前に知りたいのです
つまり、
この家はメチャクチャ仕上がりキレイやな〜、100点やわ〜
と現場担当が思っていたとしても、お客様は
何、この仕上がり、、、。施工精度甘いんちゃう〜。60点やわ〜
というギャップがあるなら早く知りたい、ということです。
このあたりの話はホームインスペクションで欠陥が防げる? 費用相場、メリット、デメリット 【住宅会社の中の人が語る】で詳しく説明しています。
現実、そういった事例というのはあります。
ほとんど傷もなくキレイな仕上がりの現場でも
あるお客様から見ると、少しでも傷があること自体が気に入らない。全部交換して〜、という要望を頂いたりすることもあります。
そういったギャップがある場合は当然、少しでも満足していただけるように手を加える事となりますが
技術的に不可能な場合もありますし、可能であってもそれをすることによって他の箇所に不具合が生じる可能性もあります。
例えば、階段にちょっとした傷があったとします、通常そのような場合、専門の修繕業者でパテ処理などの補修を行えば全くどこに傷があったかわからなくすることが出来ます。
ただ、
補修なんて納得出来ひん〜、交換や〜
というギャップが生じるのであれば引き渡し前にそのギャップを知っておきたい
そして話し合いをするのか、善後策を取るのか対応を考えたいのです
では続いて、検査立ち会いのおすすめの方法です
うちの現場監督大丈夫かなー、若いし、経験浅そうだし、心配〜
という方はあなたは大丈夫?現場監督との相性も参考にして頂ければと思います。
竣工検査、立ち会いのベストタイミングは?
検査が終わったくらいのタイミングで立ち会いましょう
竣工検査ってこっちから日時指定していいの〜?
まずはこれですよね。
竣工検査というのは多くの場合、社員数人で確認します
というのも、担当1人で見るより数人の目で見たほうが色んな視点から完成現場をチェックできるからです
なので、基本お客様にこちらの日程に合わせていただく形になります
検査時間中、ずっと現場にいててもいいの〜
これの答えは、
出来れば、検査が終わったタイミングで来て欲しい〜
と、なります。
というのも検査中は検査に必死です。
目を皿のようにしてチェックしています。
その際にお客様から「ここどうなってんの〜」、とか色々質問を受けて時間を取られると
検査どころでは無くなるからです
竣工検査が終わったタイミングで来てもらって、チェックしたところを見てもらう、というのが良いと思います。
自動車の検査とかもそうですよね?車検の時にチェックしているところをお客さんも一緒にチェックすることってまず無いですよね?
検査が終わって不備があったところに関して、ここが悪いんで見てもらえますか?という感じで自動車を見ますよね。それと一緒です。
出来ればやめてほしいNG行動
お客様も真剣です、でも現場の監督も真剣です
気持ちはわかりますが
監督がチェックする前の状態を見てあれこれ言うのは避けたほうがいいかも、、、
これです。
ここの建具、キーキー音がなってるんですけど〜!
とか、
あそこのクロス、継ぎ目が目立つんですけど〜
など、チェックしていただけることがあります。
お気持ちもわかりますが、そこは
まだ、見てない箇所なんです〜、これからチェック入るとこなんですが〜
と、思ってしまいます。
これからしようと思っている箇所を先に言われると誰だって少し気持ちが萎えませんか?
例えば、料理を作っている時に
「次、塩をいれなあかんで〜」とか、
掃除してる時に
「あそこの窓ガラス汚れてるで〜」とか
これからやるところやねんけど〜
って、少なからずなります。
なので、現場担当が見終わったあとくらいにチェックできてなかった所を指摘するのは全然オッケーですが、チェック前にあれこれは避けたほうがいいと思います
まとめ
竣工検査立ち会ったほうがいいかな〜、と思っている方は立ち会いましょう。
というのが結論です。
ただ、前述したように立ち会う時間帯を出来るだけ、検査の終わりがけにしてもらう、というほうがよろしいかと思います。
家づくりの終盤、いよいよ引き渡しで、これから引越しして長かったマイホーム計画と一旦区切りがつく、と思うと嬉しいような、悲しいような、ですよね。
現場の人間とて一緒です。
色々あった建築中、引き渡しとなると思いも、ひとしおです。
誰もがいい家になるように願っています。そのために検査もしっかりします。
検査にお客様が来ようが、来なかろうが、検査の精度に関して変わることはありません。
ただ、「検査行ったほうがいいかな〜」という気持ちにちょっとでもなっている時点で
少なからず不安な気持ちがあると思うのでそれを払拭するためにも
竣工検査、行きましょう〜!
と、なります。
家づくり中の不安を少しでも解消出来ると嬉しいです。