家づくりを考え始めたらU値(ユーチ)っていう言葉を聞くんですけど何のこと〜?
家を建てようと思って色々調べだすとU値とかUa値(ユーエーチ)、Uw値(ユーダブリューチ)っていう言葉を耳にすることが多くなりますよね
日常で聞く言葉でもないですし、今まで聞いたことがないワードなので戸惑う人も多いと思います。
U値のことを知らずに家づくりを進めていくと多くの人が住んでから後悔します。
私は1級建築士、1級施工管理技士の資格を持ち、住宅業界で15年以上働いてきました。延べ1000棟以上担当した経験を踏まえてご説明させていただきます
この記事を読むと
- U値って何?
- U値とUa値、Uw値の違いとは?
- 窓の断熱性の重要性とは?
という事がわかります。
一生に一度あるかないかの家づくり、後悔する前ににこれだけは大切にしてほしいのが窓にこだわる、ということです。
この記事を読んで是非、快適な家づくりの一歩を踏み出していただきたいです。
家づくりを考え始めて、窓の重要性に気付けている皆さんは成功する家づくりに進んでいます。
窓の重要性に気付けているのなら、窓と関係性の深い外構も併せて考えていきましょう。
せっかく家づくりで窓の位置や種類にこだわったのに、外構計画とマッチせずに後悔してしまうことも多いです。
- カーポートが窓と被ってしまう、、、。
- 窓と被ってしまって物置を置くスペースがない、、、。
- 大きな掃き出し窓をつくったのに外構が殺風景、、、。
割と、窓と外構の関係性は深いんです。
外構で失敗しないためには早めの計画が必要です。
家の計画と同時期に外構の計画も大まかで良いのでしときましょう。
あとから、やりたい外構プランが出来ないことになります。
外構業者の選び方がわからない、という方は【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要をご覧ください。
【失敗しない外構業者の探し方】後悔しない新築には早めの外構計画が重要U値とは 断熱性を表す指標
U値とは熱貫流率のことです。値が小さいほど断熱性能が高い、ということになります
熱貫流率を家の断熱で例えてお話すると
屋外と屋内で1℃の温度差があるときに、表面積1㎡あたり、1時間に逃げていく熱の量のことです。
その値が0.8だの1.0だのと言われます。
単位は【w/㎡・K】です。
難しく言われてもよくわからない、、、もっとわかりやすく教えて〜
ですよね。
クーラーボックスをイメージして頂くとと解りやすいのではないでしょうか。
キャンプとかに持っていくクーラーボックスです。
U値が小さいと出入りする熱の量が少ないのでクーラーボックスに入れている氷は溶けにくいです。
同じように家をエアコン冷房で冷やした場合、U値が小さいと熱の出入りが少なくなるのでエアコンの効きが良くなります。
ここでクーラーボックスの性能を高くするにはどうしたら良いか、というと
- 断熱材の性能を上げる
- 断熱材の厚みを大きくする
- クーラーボックスの蓋の閉まり具合を良くする
という方法が考えられます。
家も同じで断熱材の性能を上げて、厚みを大きくして、気密性能を良くする(家の隙間をなくす)ということが必要になります。
しかし、家にはクーラーボックスには無い弱点があります。
家の断熱における弱点は、窓をつけないと駄目、ということです。
居室(生活する部屋)には採光の為、換気の為に窓をつけないといけません。
この窓がU値の弱点になります。
窓のU値(Uw値)を下げることが家の弱点をなくす方法となります。
窓のU値(Uw値)とは ガラスとサッシの性能値
U値のことはわかったけど今度はUw値についても教えて、U値とどう違うの?
Uw値とは窓に関してのU値を表した物になります。
WはWindowの頭文字を取ったものです
窓の面積1㎡あたりに内外温度差が1℃としたとき、1時間に逃げる熱量になります。
Uw値に関しては、ガラスのU値(Ug値)とサッシのU値(Uf値)に分けて考えることが出来ます。
- Ug値:0.55程度(トリプルガラス)〜5.9程度(単板ガラス)
- Uf値:1.3程度(樹脂サッシ)~3.3程度(アルミ樹脂複合サッシ)~7.5程度(アルミサッシ)
- Uw値:0.5程度〜6.5程度
一般的にガラスのU値の方が低い(断熱性能が高い)のでUw値が良いからと言って、アルミ樹脂複合サッシを選んでしまうとアルミ樹脂複合サッシのUf値が悪いのでサッシフレームに結露が発生するおそれがあります
窓のUw値だけに惑わされず、Ug値、Uf値に関しても考えて窓を選ぶようにしましょう。
家全体の断熱性を表すUa値
続いてはUa値に関してです。
Ua値のaとは average(アベレージ) の頭文字をとっています。
なので、家全体のU値の平均ですよ、ということです
Ua値が低い程、断熱性能が良く、夏涼しく、冬暖かい家になります。
家の中でUa値に関わりのある部分というのは
- 外壁
- 天井
- 1階の床
- 窓
になります。
これらの断熱性の平均がUa値、です。
Ua値には国が定める基準があります。ただ、守らなければいけない基準ではなく、これぐらいは目指そうね、という努力基準となります。
一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構が発表している住宅における省エネルギー基準は
Ua値が0.87 (Ⅵ地域) です。
実は、この基準をクリアしていることを「省エネ等級が最高」という表現をされている場合があります。
ただ、この基準はめちゃくちゃ低いです。
このめちゃくちゃ低い基準ですら義務基準ではなく努力基準です。
あまりにも低い基準なので、民間の研究会で組織された「HEAT20」(ヒート二ジュウ)という団体が独自の基準を作成しました
それが、G1 、G2、G3と呼ばれるものです。(それぞれジーワン、ジーツー、ジースリーと言います)
- G1 :0.56
- G2 :0.46
- G3 :0.26
国の基準もこの値に追いついて家の性能を底上げしようとしてます。
現在は断熱等級7まで作り、家の性能を上げようとしてます。
Ua値におけるUw値の重要性
これから家づくりを始める方にとってUa値が重要ということはお分かりになったと思います。
ここでお伝えしたいことは
Ua値を良くするためにはUw値を良くすることが必須やで〜
ということです。
どういうことかと言うと、Ua値は家の断熱性能の平均ですが、窓の断熱性能Uw値はその平均点をグッと引き下げる要因になります。
外壁、天井、床の断熱材をグラスウールとすると
- 外壁のU値:0.5程度
- 天井のU値:0.2程度
- 1階床のU値:0.5程度
- 窓のU値:0.8〜6.5
です。
120㎡の2階建て住宅(総2階)とすると
- 外壁の面積:162㎡
- 天井の面積:60㎡
- 1階の床面積:60㎡
- 窓の面積:30㎡
くらいが一般的な断熱に関わる面積となります。
窓の面積って小さいから、そんなに断熱性に影響ないんじゃないの〜
と、思った方いますよね。
違うんです。
断熱性は 面積×U値です。
これを先程の面積とU値で掛け算してみると、、、
家の外周部から逃げていく熱量は
- 外壁:165㎡×0.5=82.5W
- 天井:60㎡×0.2=12W
- 1階の床:60㎡×0.5=30W
- 窓:30㎡×3.5=105W ※窓のU値は中央値 3.5と考えました
いかがでしょうか
窓から出ている熱量が、他のどの項目(外壁、天井、1階床)よりも大きいことがわかると思います。
だいたい、窓の面積の比率は家外周部の10%くらいなので上記のような結果になります
家全体の断熱性に対して窓の断熱性の重要性がわかっていただけるでしょうか。
例えば、中学校の時の期末テストで5教科の平均が80点であっても、国語だけ
50点で赤点、補習授業を受けないといけない。
みたいな感じです。
平均的にそこそこ良くても、弱点があるとそこから受ける影響っていうのは大きいよ、ということです。
まとめ
家の性能における窓の断熱の重要性はお分かりいただけたでしょうか
住宅メーカーや工務店は
「省エネ等級で最高基準クリア」とか「Ua値がZEH基準をクリア」とか言って皆さんに断熱性の良さをアピールしてくるかもしれません。
でも、ここで大事にしていただきたいのが
「窓、何をつかっているの」ということです。
いくらUa値がよくても窓の断熱が悪ければそこから熱はドンドン逃げてしまいます。
是非みなさんには住宅メーカー、工務店の口車に乗らずに窓の断熱性を基準に住宅会社を決めていただきたいと思います。
私は
- 樹脂サッシ
- トリプルガラス
- 樹脂スペーサー
の3点セットをオススメします。
窓の重要性に気づいている時点で皆さんは成功する家づくりに進んでいると思います。
家の性能と同じくらい、外構の計画も大事です。
外構を後回しに考えていると、余計な費用が掛かってしまって後悔することに、、、。
- ウッドデッキを作りたかったけど水道配管が邪魔で出来ない、、、
- カーポートを設置したかったけどスペースが確保出来てない、、、
- 外灯を設置する場所を考えてなくてお庭が暗い、、、
こういった後悔は早めに外構の計画を建てることで回避できます。
外構の計画を立てようにも相談する外構業者がいない、、、。
ハウスメーカーの外構業者は仲介手数料が掛かって費用が高いって聞くし、、
そうですよね、外構業者のお知り合いがいる方は少ないですし、どうやって外構業者を選んだらいいかわからない、という方は【失敗しない外構業者の選び方】後悔しない新築には外構が重要をご覧ください。
オススメは無料で一括見積もりをしてくれるリショップナビです。信頼のおける優良業者を紹介してくれます。
細かく外構プランを決める必要はないですが、大まかな計画とある程度の予算をリショップナビの登録業者に聞いてみるのも重要です。
みなさんにとって後悔の家づくりの手助けになれば幸いです。